Ricsung  story

【　ヘソンの恋　】

毎度、文章力ないくせにゴメンナサイ　Ｔ＿Ｔ


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[29回]

チキンマニアの撮影

久々に集まった皆の前で
ヘソンが呟いた。

「俺、好きな人ができた」

小さな呟きに耳を疑い、
隣に座っていたエンディは
思わずヘソンを二度見した。

「ヒョン、今なんて？」


「好きな人ができた」





ヘソンが恋をした。





驚くメンバー。

特にジニは目を丸くし、
口に運んだチキンのタレが
口周りについても気づかない


ドラマ撮影中のエリックは
少しの時間を惜しんで
チキンマニアの撮影でも
忙しく台本に目を通していたが

この言葉で全く頭に入らなくなった。



「ヘソン、やっと俺の事を好きになってくれた？」

そんな冗談を真面目に言うドンワンの声など、
誰の耳にも届かない。

もちろんヘソンも
「ちげーょ」と、軽くあしらう。


ミヌのアイコンタクトにより、
エンディがまた口を開く。

「ヘソンヒョン、その人、どんな人？」

ニヤニヤと照れ臭そうに答える
「一途な人かな」


「へー。告白したの？」

「できない」

「なんで？」

「見てるだけだから」

「告白しないの？」

「彼には好きな子が居るからできないょ」

「彼って？好きになったのは男なの？」


「悪いか？」

「悪くないケド・・・」

幸せそうにハッピーオーラを放つヘソンに対し、
負のオーラを放つエリとジニ。

相手が男と聞いて、
ヘソンの心を奪った
見えない相手に嫉妬する

「ヒョン、僕達も知ってる人？」

「多分。有名だからな」

「え？有名人　誰？」

「まさか俺達か？」
急にテンションの上がるエリックとジニ


無視・・・

そして
モジモジと恥ずかしげにヘソンが答えた

「カン・テハ」

「バンセー！」

「やったー！」

台本を投げ捨て
思いっきり喜ぶエリック

「「「ドラマかよ」」」

エリックとは対照的に
プツンと糸の切れた凧のように、
ソファーへもたれかかるメンバー。

エリックが勢いよく
ヘソンに飛びつきハグをする。

「ヘソン、カン・テハって、俺のことじゃん。
回りくどい告白しなくっても
ストレートで良かったのに？！(*^_^*)
俺もヘソンの事が大大大好き」

「どけっ。」
告白した割に冷ややかなヘソン

「俺が好きなのはカ・ン・テ・ハ。
エリ、お前じゃない」

”やっぱりね”と言わんばかりに
横目で二人を眺めるのメンバー


「ヘソン、俺がテハじゃん」


「だーかーら、お前エリックで、
俺が好きなのはカン・テハ」

「何だよソレっ」

”近くにテハがいるのに？”と、
つまらなそうにブツブツい
ヘソンから離れる


「お前がカン・テハっていう証拠は？」

「この台本！」
手に持っていた台本を見せつける


「そんなの証拠になんて」

「じゃーどうしたらヘソンは
俺に振り向いてくれるんだ？」

「だーーーかーーーらーーー
エリックになんて振り向かない！！
俺が好きなのはカン・テハなわけで、
お前が主演男優賞でも受賞したら
俺のテハssiだと思ってやってもいい」

挑発するような発言しかできず
素直に言えないヘソン
カン・テハを通じてエリックを見ているのに、
本人は気付いていない。

当人同士「水と油」、
そう言って距離を縮めないが
二人の心に距離は無い。

この事実に二人はいつ気づくのか？

客観的に見るメンバーは
このやり取りに
”面倒くさい二人だ”と呆れかえる。

ジニだけはヘソンの相手が
カン・テハとはいえ、
結局エリックと知って
一層落胆する


「ジナー、そんなに落ち込むなって」
ミヌがジニの肩を抱く

さて、ヘソンの言葉で
俄然ドラマにやる気を出したエリック

ヘソンを手に入れるために
絶対このドラマを成功させたい。
そう心に誓ってカン・テハ役に勤めた。





ドラマは大好評のうちに終了し、
年末、KBS演技大賞にエリックがノミネートされた





そして2014年12月
韓国KBS演技大賞が発表された。

「優秀演技賞」
「ネチズン賞」
「ベストカップル賞」
三冠を獲得したエリック





大晦日

メンバーは打ち合わせを兼ね、
忘年会をしながら
授賞式へ行ったエリックと
カウコンのドンワンを待っていた。

明け方近く、
すっかり出来上がっているメンバー

上機嫌でエリックがやってきた。
久々に会ったドラマのメンバーやスタッフと
祝杯を挙げていたらしい。
 
「よぉ、エリー！受賞おめでとう！」


「イェーーィ！
お陰様で獲得できました！カン・テハです」

持っていたトロフィーを
見せつける

「おおお！！！テハssi！！！」

酔いもまわり切り、
すっかりお酒に飲まれたヘソンが
エリックに握手を求める
「アンニョン、カン・テハssi」

「アンニョン、ヘソンssi」


酔っぱらって程よく壊れている二人

「ドラマ、みてました！
ハッピーエンドで良かったですね。
幸せな気持ちになりました！
幸せそうな元カノや
淋しそうな元カノを見かけた時って
どんな気持だったんですか？
あ、そのトロフィーを見せてもらえませんか？」

カン・テハ相手に
ヘソンの質問攻めが始まった。

エリックもまた酔いに任せて
カン・テハとして嬉しそうに答える

「バカだね、あの二人」
「前からね」
ミヌとエンディの会話
「ジナは酔いつぶれてて良かったな」
「そうだね、面倒くさいもんね」笑
「そういえば、ドンワンは遅いなー」
「大丈夫、絶対来るよ。
だってココ、ワニヒョン家だもん」
「そうだな」（（笑））




「すいませんミヌssi、ちょっとヘソンさんを
お借りしてもいいですか？」

妙に余所余所しい口調で
エリックがミヌに尋ねる

「はいどうぞーいくらでもー」

その言葉を合図に
「ヘソンssi、少し風にあたりませんか？」と、
ヘソンを誘い出し、部屋から出て行った。

「ミヌヒョン、あの二人どこ行くんだろう？」
「お持ち帰りに決まってるだろ？」
「やっぱり？」
「当然。エンディも俺にお持ち帰りされる？」


「されてもいいけど？」


「ヤー、ヘソンみたいな言い方すんなよ」笑




場所は変わってエリック宅

相変わらずテハにドラマの感想や
質問をするヘソン、
そして楽しそうに答えるエリック

片手にトロフィー、
片手にヘソンの手をひいて
リビングまで入ってきた時、
ギュっとヘソンを抱きしめた。

「テハssi？？？」
急に無口になるヘソン

「俺の事好き？」


「テハssi・・・好きです」

「キスしても？」

「ハィ。あ、いや！やっぱりダメです。
だってヨムルssiに一途なテハssiが好きなので…」

耳を真っ赤にするヘソン


「そうですかー・・・」

エリックにしては
素直に腕の中のヘソンを解放したが、
今度は持っていたトロフィーを
テーブルの上に置いて言い直した。

「ヘソンssi、
今カン・テハのトロフィーを手放しました。
だから今は俳優ムンジョンヒョクです。
受賞の時、この名前だったでしょ？

僕は今誰ともお付き合いしていません。
僕じゃダメですか？」

熱のこもった言葉は
俳優ムンジョンヒョクではなく、
エリック自身の心からの言葉だった。

「ムンジョンヒョクssi・・・
あなたの演技、大好きです」

「ヘソンssi、抱きしめても？」

「はぃ」

改めてヘソンを腕に収め、
耳元で囁いた

「今夜、一緒に眠っていただけますか？」

「はぃ」








元旦の朝、
ヘソンはエリックのぬくもりを感じながら目を覚ました。
彼が目を覚ます前に
優しくキスをし、ベッドから出る

リビングでコーヒーを飲んでいると
エリックが起きてきた

「ヘソナー＾＾」
眠たい目でソファーに座るヘソンを捉える
 
「おはようエリック」
「おはよう」
「今年はシナの年だな」
「あぁ」

っという会話の後にキスしようとするエリック

「ちょっと待て！お前エリックだよな？」


「あぁ。それが何か？？」
「俺が好きなのはムンジョンヒョクだ。
エリックは俺に気安く触るんじゃない！」

「は？」

「俺は今からテハssiに逢いにいくから。
さっ、2015年、頑張ろうなエリッ。
シナのリーダー、宜しく頼むぞ！！」

そう言い残し
帰って行った。

「ヘソナァァァ〜〜〜〜？」

落胆したエリックの声は
ヘソンに届かず
自宅に戻たヘソンは
”恋愛の発見ＤＶＤ”でカン・テハと再会した。

「俺カン・テハなのに…ヘソンのバカーーー。」



   


おしまい

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読んでいただき、
ありがとうございました。

ちょっとややこしいかな？

カンテハだろうが、
ムンジョンヒョクだろうが
全部エリックなのに
どうしてもエリックを好きだと
認めたくないヘソンを書いてみました。


       
        
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