Ricsung short story

【　Comet　】
「巡り愛」
 
 



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[42回]

巡り愛

1986年
俺が7歳だった頃、
裏山で大きな流れ星を見た。

一瞬で消える流れ星しか知らなかった俺は、
上空でいつまでもキラキラと輝く光の筋を
見とれていた。

”ずっと見ていたいな”

どれくらい見上げていたか覚えてはいない。

小さいながらに衝撃を受けた事を覚えている。

そうだ、流れ星だから願い事しなきゃ。

”またこの綺麗な星が見れますように”

この願いは意外にも翌日叶った。






夜更かしをしてしまった翌日の学校は
朝から眠たくてしょうがない。

小学校の朝の会

「今日は新しいお友達を紹介します」

そう言って担任が連れてきた転校生は

”申彗星”と言った。

俺の星！！
眠気もすっ飛び、思わず目を見開いた。
初めて会った少年はとても綺麗で、
俺にとっては昨夜見た星以上に
輝いて見えた。







この最初の出会いから数十年。
34歳の俺。

パートナーとして隣にヘソンがいる。

窓辺に腰かけるヘソン。
 


未だに俺はヘソンに見とれてしまう。


「ヘソン、何してんの？」

「流れ星探してる」

「こんな満月じゃ見えないだろー？」

「そっか？」

「なぁヘソン、俺、小さい頃、
中々消えない流れ星を見たんだ」

「へー、綺麗だった？」

「うん。ずーっとキラキラ輝いててさ、
”またこの流れ星が見れますように”ってお願いしたんだ」

「見れた？」

「んーーー流れ星はまだだけど、
俺はもっと素敵な星を手に入れた」

「何？」

「彗星（ヘソン）」

「バカか？！」

「だって、願い事した次の日にヘソンと会ったんだぜ？」

「ただの偶然だな」

「んな事言うなよ」

「フフっ。俺もエリックの言う流れ星、見てみたいなー」

「うん。お前と見たい」

「あれ？エリ、俺とお前が逢った時って、ハレー彗星の年じゃないか？」

「ハレー彗星？」

「そうだよ、流れ星じゃないぜ！？」

「もう見れないのか？？？」

「いや、彗星は流れ星と違ってずっと宇宙を走ってるんだ。
地球に来るのは76年周期だから、次は・・・2061年かな」

「そんな先？？！俺達幾つだよ？！」

”笑”

「ヘソンと一緒に見たいから、お互い長生きしような」

「そうだな。ねぇ・・・」


「何？」


「あのさ・・・」



「何だよ！？？」

何故か頬を赤らめるヘソン

「ちょっと近くに来て」

俺は１歩ヘソンへと近づいた

「俺”彗星（ヘソン）”だから
来世もまたお前と巡り逢うぜ？いいか？」

  

「いい！！！いいに決まってる！！」


「お前、ホント俺の事好きだな？」

「もちろん！愛してる」

「ありがと。エリ、今度流れ星見に連れてって？」

「あぁ。一緒に見ような」







おしまい


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夜空が綺麗だったので、
ぱーーーっと書いてみました。

画像は初期作品の使い回しです＾＾；

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