Ricsung short story

【幸せな日々】

[17回]

『ヘソ～ン、ヘソ～ン』
 
合い鍵でヘソンの部屋へと入る。
今日は家に居ると言ってたのに見当たらない。

ゆっくりとリビングを見渡し、ベッドルームへ向かうと
窓にもたれ、外を眺めるヘソンがいた。
 
俺はそっと近づき、体重をかけないように体を重ね、
耳元で声をかけた。
 
「ヘソン発見」


 
「あっエリック！いつきたの？」
 
俺の方へ顔を向け、優しく微笑みながら言った。
 
「今だよ。何度も呼んだんだぞ」
 
「ごめん、ボーっとしてた」
 
「何かあったか？」
 
「いや、その逆。今まで色々あったけど、今の俺は幸せだと思って」
 
柔らかい笑顔で答えるヘソンを後ろから抱きしめる。
 
「ヘソン、その幸せの中に俺も入ってるか？」
 
「入れてやってもいいぞ」
 
「何っ？!ヾ(*｀Д´*)ﾉ」
 
からかうヘソンを俺は思い切りくすぐった。
 
「ハハハハっ、やめろよエリック！！ごめん！ごめんったら！！
ハハハハっエリが…エリックが居てくれるから幸せなんだょ！！」 
 
笑いもだえるヘソンの言葉を聞くとまた抱きしめた。
 
「だったら許す。俺もヘソンが居るから幸せだ」
 
俺達はしばらく外を眺め、幸せな時間を過ごした。