Ricsung story


【　Cool Beauty（後編）　】

[25回]

もうすぐ24時間になろうとする30分前。
事務所へ戻ったエリックの机にメモが置いてあった。

“地下室へ来い”

ヘソンからだ。
エリックはニヤリと口角をあげた


地下へ通じる階段。
ガラス越しにヘソンの姿をとらえた。


鋭い表情で１点を見つめるヘソン。
誰も居ない地下室にもかかわらず、
人を寄せ付けないオーラがヘソンを包んでいた。


しかしその心は今にも泣きそうな・・・
誰にも見せない彼の心の奥を
エリックは改めて確認したように思った。

“カタッ”


小さな物音にヘソンは耳を傾け、
エリックが来た事を確認した。
ソファーから 立ち上がるヘソン

視線が絡んだまま時間だけが過ぎていく。
ヘソンが拳を強く握り、
目に力がこもっていく変化を
エリックは見逃さなかった。

静かな空間がどれくらい続いたか、
この沈黙を破ったのはまたもヘソンだった。

「やっぱりお前も他の奴らと同じ。

興味本位の口先だけの奴で俺をからかってたのか」



怒りに震えるヘソン

「違うぜヘソン」


ヘソンの頬に触れながらエリックは答えた。


「ずっと愛の告白を考えてたんだよ。
でもこの言葉しか浮かばない」

エリックはヘソンに軽く口付け

「愛してる」と囁いたと

「随分だな。俺を待たせてそれで終わりか？」

とたん、エリクの首をつかみ
引き寄せるヘソン


「こうすんじゃねーのか？」

ヘソンはエリックの顔を近づけ、
口づけをした


「ヘソンって積極的だったんだな」


「お前がそうさせたんだろ？」


「ヘソン、逃げるなよ」

「あぁ」



エリックはヘソンの両頬に手を添え、
噛みつくように激しく口づけをした

「…っ、エリ、ちょっと待って。」

崩れるヘソンをエリックが支える


「おい、ヘソン。大丈夫か？こっち見ろよ」

エリックはホテルのルームキーを差し出した

「これからだぜ？まだ大丈夫だ・よ・な？」

「・・・エリっ」

か細いヘソンの声を合図に
もう一度口を重ね、事務所を後にした。