ヘソンとエリクに萌え萌え妄想★Fiction Blog
ヘソンのアルバム”Winter Poetry”を
まるごとイメージしたお話です。
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RicJinSung
「冬の淡い記憶」
俺はパクチョジン。
これは俺が高校生の時の話だ。
俺は田舎町の高校に通っていた。
田舎の高校にしてはダンスが有名で、
俺は毎日部活に励んでいた。
1年の冬。
2年への進級テストが終わった頃、
クラス担任が兵役へ行く事を知らされた。
担任の名前はエリック。
英語教師でダンス部の顧問だ。
こいつの趣味は「ダンス」と言いたいところだが、
「睡眠」だと思う。
暇さえあれば寝ているような?
ヒドイ時は俺らの部室で眠っている。
人懐っこすぎる悪戯好きの担任だ。
生徒か先生か見分けがつかないような奴だから、
何でも話せる親友のように、
俺は毎日楽しい高校生活を送っていた。
しかし、急に兵役と言われ、ひどく淋しさを感る。
エリックは
「俺の代わりに美人がきても口説くなよ!
お前ら手を出したら容赦しないぞ!」と言葉を残して行った。
そして、赴任してきた新しい担任は・・・。
「イ・ミヌです。よろしくお願いします」
俺は窓の外を眺め、”どこが美人なんだよ”と呟いた。
エリックの言葉を信じたクラス全員の男がため息をついた。
あいつのニヤリとした顔が思い出される。。。
どこまでも俺達をからかいやがって
・・・エリックのバカ。
2学期制の高校。
2年の1学期が終わり、10月の秋休みになった。
部活の顧問はエリックからミヌへと引き継がれていた。
ミヌはエリックと同様ダンスのプロフェッショナルで、
昔一緒に活動していたらしい。
選手権も近いことから、俺は毎日ミヌにレッスンしてもらっていた。
日曜日の朝。
今年一番の寒さとあって、
俺は小走りに部室へと向かう。
途中、誰も居ないはずの音楽室から
優しいメロディが響いてきた。
俺は気になって中庭から音楽室を覗いた。
外からみる音楽室は
ピアノを弾いては楽譜に何か書き込む人影が。
誰だあいつ?
明らかに学生ではない。
障害物が多く、よくは見えないけど、
少し長めの髪をザックリと結んだ人がいた。
翌日もそのメロディに惹かれ、
俺は自然と音楽室に足を向けた。
そして、中を覗くと、そいつと目が合ったんだ。
俺に気づくと
こっちへ向かってきた。
オトコ?
シルエットから俺はてっきり女かと思っていた。
古い校舎の窓はなかなか開かないようで、
上を向いて窓枠を叩いたり、揺らしたり・・・
少し苦戦していたが、
男のこいつを美しく思えた。
やっと開いた窓。
外気にさらされた乳白色の綺麗な肌が
陽の光で輝いてみえた。
「何かご用ですか?」
細面のこの男は上半身を窓の外へだし、俺に言葉をかけた。
声も綺麗だ。
「今の曲何?」
「え?」
「あ、ごめん・・・いや、お兄さん、学校の人?」
そいつは
「お兄さんねぇ。。。」とクスっと笑った。
「俺、一応先生だよ。」
「そうなんだ?。」
「そこ、寒いだろ?こっちに来たら?」
俺は窓をよじ登って音楽室へと入った。
その行動にすこし驚いたようで・・・
「誰が窓から入って来いって言った?」と、また笑っていた。
俺はなんだか恥ずかしくなってしまった。
「音楽を担当するシンヘソンです。よろしく」
「俺、ダンス部なんだけど、色々な音楽に興味があるんだ。
さっきヘソンが弾いた曲、あれ何ていうの?すごく良かった」
「おぃ、初対面で先生を呼び捨てにすんなよなー」
「あっ。」
「何?」
「あいつと一緒だ」
「え?」
「俺の元担任。今兵役へ行って居ないんだけど、
そいつがいっつも呼び捨てにすんな!って言ってたからさ。」
「へ~そうなんだ。」
「でさ、ヘソン、さっきの曲は」
「アハハハ」
「何?」
「今注意したばっかじゃん。」
「そっか、ヘソン先生」
ヘソンは先生だけど、
初対面なのに波長が合うというか、
すごく話しやすくて友達みたいだった。。
そう、エリックとタイプは違うけど、
どこか似てるような。。。そんな印象。
でも、エリックと違ってヘソンは美しかった。
それからは、部活の前後にヘソンの音楽室へ行くのが日課になった。
部活の後は疲れた体をヘソンのメロディで癒し・・・
音楽室で寝てしまう事もあった。
少しでもヘソンを見ていたくて、
俺は瞼が閉じるギリギリまでヘソンを見つめていた。
短い秋休みはあっという間に終わり、
2学期が始まった。
新学期の全校朝会。
新しい教員としてヘソンが紹介された。
俺の横を通ってステージへと上がる。
長めの前髪。
後ろにゆるく結んだ髪が、頬にかかり色っぽく思えた。
今日のヘソンはいつもと違って、少し緊張している。
そして、ヘソンが挨拶をすると、周りが一瞬ザワついたように思う。
やはり ”かっこいい” という言葉より ”綺麗” という言葉が似合うヘソン。
他の生徒もヘソンの魅力に気づいてしまったようだ。
そんな中、ヘソンはステージの上から俺を見つけると、
少し笑顔になり、何故かウィンクしてきた。
思わず目をそらしてしまった。
俺の前に立っていたエンディが振り返り、
「俺、恋に落ちた」とつぶやいた。
「へっ?」
間抜けな声が出てしまったが、
ヘソンが俺に向けたウィンクを
エンディは受け取り間違いをしてしまったようだ。
あれは俺にしたんだぞ!
そう言い正せるハズもなく・・・
「エンディ、ヘソンは男だぞ?!」と
否定的な言葉を伝えた。
「うん。でも良い。
俺、ヘソン先生が好きになっちゃったみたい」
「バーカ」
とは言ったものの、
ライバル出現のような・・・
少し焦りを感じるのも事実だ。
俺はヘソンが好きなのだろうか?
俺たちの私語に学年主任のドンワンが睨んでいた。
放課後、俺はいつものように音楽室へ行った。
ガタガタと音を立てて開く木戸。
「あ、ジナ~、ごめん、
今良いフレーズが浮かんだんだ。ちょっとまってて」
そう言って頭に浮かんだ音符を忙しく書き留めていた。
ヘソンは暇さえあればいつも作曲をしているようだ。
俺はそんなヘソンを眺め、癒やされていた。
ヘソンのそばに居るだけで幸せだった。
ある日の廊下
「ジ~ナ~!丁度よかった、書類拾って!!」
俺は書類を拾うと、
半分荷物を持った。
「一回貸しね」
「先生に向かって貸しってなんだよ!」
「いいじゃん」
「一応聞いとくけど、どうやったらその貸しは返せる?」
「ヘソン先生が作ってる曲を俺にくれたらチャラ。
ダンス大会の時に使いたいんだ」
「・・・ごめん、あれはあげられない」
「どうして?」
「大切な人にあげる」
そういわれ、すぐ女が過ったけどドキドキしながら聞いてみた。
「彼女?」
「違うよ」
その言葉に安心した自分がいた。
「じゃー男友達?」
「まぁな」
「いいなー、そいつが羨ましいっ」
「やきもち?」
「誰が男にヤキモチやくかよ!」
クスっと笑うヘソンが可愛かった。
「じゃあさ、完成したら1番に俺に聞かせて?」
「・・・・いいよ」
少しためらったようなヘソンだったけど、承諾してくれた。
ある寒い日の夕方
部活の帰りに音楽室を見ると、
ヘソンが物思いに窓の外を眺めていた。
しかし、その顔は淋しげな表情へと変わる。
どうしたんだろう?
優しく抱きしめて寄り添ってあげたい。
そんな気持ちを抱いた自分に
俺はヘソンが好きなんだと実感した。
しかし、今の俺は何もしてあげられない・・・
「ヘソ~ン!初雪だよ!」
俺は大声でヘソンを呼んだ。
窓の外を見ていたにも関わらず、景色は見ていなかったようだ。
すごく嬉しそうな表情へ変わり、
教室の外へ出てきた。
「わーーー!!ジナ、この地域って雪降るんだね!
俺の育った町では殆ど雪が降らないんだ」
そう言って、ヘソンはすごくはしゃいでいた。
「ジナ、アレ乗ってみようか?」
「ヘソン!それは止めた方がいいよ!!」
俺の静止を聞かず、ヘソンは自転車に乗った。
降り始めの少しだけ雪がたまった場所をめがけて走りだす。
「危ないって!!」
そして案の定ヘソンはコケた。
無茶だとわかってもやってみる。
やっぱりエリックに似てると思った。
「ジナも乗ってみなよ」
「俺は雪の中、自転車乗るのは得意だぜ!」
そう言って自転車に乗り、短距離をUターンした時、
ヘソンはまたどこか遠くを見つめていた。
ヘソンの見つめる先に俺は居ない。
でも、ヘソンをいつまでも見つめていられる
存在になりたいと思った。
男同士・・・
この感情を片付ける事ができず、
大人の男であるエリックに相談することにした。
エリックのいる宿舎
「よくきたなー!!!遠かっただろう?
どうした?俺に面会って珍しいな」
「あ、うん。・・・俺」
「何だよ?言ってみろよ」
「俺・・・男に恋したんだ。」
「そっか。で?」
「で?って、驚かないのか?」
「別にいいんじゃん?好きという気持ちに正直になって、
お互いが成立したら、それは問題ないだろ?」
いともすんなり言うエリックに、
今まで散々悩んだ俺はいったい何だったのか?と笑えた。
「ありがとうエリック」
「え?もう終わりか?」
「うん。エリックに会ったら解決した」
「そっか、じゃー俺に感謝しろよ!(笑
まっ、お前がどうしたいかが重要だ。頑張れ。」
「うん。」
「ところで、お前、ずっと人の名前呼び捨てにして、”先生”を付けろよな」
その言葉に俺は笑った。
「何?」
「いや、俺の好きな奴がよく使うからさ。」
「ちょっと待った、好きな奴って俺か?
だからここまで会いに来たのか?
俺はお前に告られても、俺は無理だぞ!!!」
「っちょっと待てよ!!誰がエリックに告るかよ!!!」
「だよな。」笑笑笑
「ってか、先生に恋したのか?」
「え?あ・・・うん」
「若いっていいな。
まっ、恋もいいけど、受験勉強も頑張れよ!」
翌日俺は勢いに任せてヘソンに告白した。
いや、告白しようとしたんだけど・・・
「ヘソン、俺、好きな人ができた」
相手は大人の男だ。
ストレートに言うのが怖くって、
徐々に告白しようと思ったら・・・
「お!そうか!良かったな!
ジナみたいなカッコいい男から告白されたら、
すっごい嬉しいと思うよ!頑張って告白しろよ!!」
ものすごくテンションを上げて捲し立てるように話すヘソンに、
「ヘソンが好きだ」と言えなかったT_T
苦し紛れに
「デートするならどこへ行ったらいいと思う?ちょっと付き合ってよ!」と
まだ赴任して間もないヘソンに町の案内をすると言って
ヘソンとデートすることにした。
待ち合わせは町外れの教会。
俺はかなり早く到着してしまった。
入口の扉は重厚で重く、ゆっくりと開いた。
ステンドグラスを通して差し込む光が、
キラキラと神聖な雰囲気を醸し出す。
かなり早く到着したハズなんだけど、
既にヘソンが居た。
綺麗だ。
そこに存在しているだけで、絵になる。
この日の俺はヘソンを独り占めしている事に陶酔し、
どこを歩いたのか覚えていない。
それから・・・
あっという間に時は流れる。
高校3年の秋。
受験勉強でなかなかヘソンと会えない日が続いた。
授業中、ぼんやりと中庭を見つめていると、
ベンチに座っているヘソンを見つけた。
ヘソン、髪切ったんだ。。。
なんでだろう?
似合ってたのに。
何読んでるのかなー?
ヘソンがふと空を見上げた。
全てが綺麗だった。
でも、切ない顔をするヘソンを見るのは苦手だった。
誰がヘソンをあんな顔にさせてるんだろう?
俺がもっと大人だったら・・・
翌日、俺は音楽室をのぞいた。
まただ。
昨日と同じ表情をしていた。
ヘソン・・・俺は声を掛けることもできず、その場を後にした。
そして、俺はヘソンへの感情を表に出せないまま、
春を迎えた。
大学進学がきまり、
そして、ヘソンとの別れを迎える。
俺はちゃんとヘソンに告白をしようと決めた。
男同士。
粉砕覚悟。
それでいい。
俺の気持ちを伝えるだけでいいんだ。
ヘソンはどんな反応をするんだろう?
そんな事を考える余裕はなかった。
卒業式の前日
俺はヘソンに呼ばれ、音楽室に来ていた。
「あ、きたきた!」
「ヘソン先生どうしたの?俺を呼び出すって珍しいじゃん」
ヘソンの表情はとても嬉しそうだった。
「お前の貸し、まだ返してなかったからさ。」
「え?!もしかして完成したの?!すごいじゃん!!おめでとう!!」
「今日の放課後、音楽室に来れるか?」
「もちろんだよ」
放課後、俺は音楽室へ行った。
「お待たせ」
「おぅ」
俺は興奮しながらも、
ピアノに体を預けて聞く体制を整える。
Winter Poetryより 08 去年の夏の記憶
奏でられる曲は
淋しいような?でも優しく包まれるような
独特なメロディーだった。
俺は思わず涙がこぼれた。
演奏が終わると、「ジナ、ありがとう」
そう言って、ヘソンは立ち上がり俺を優しく包んでくれた。
俺はそんなヘソンの香りをたっぷりと吸い込んだ。
「ヘソン先生、明日なんだけど、あの教会で会えないかな?」
「明日?ごめん、明日は大切な用事があるから・・・」
「そっか。じゃあ明後日は?」
「いいよ。」
そして俺の告白の日が決まった。
卒業式の日
俺たちの卒業式は、ちょうどエリックの除隊日だった。
俺たちはエリックの召集解除祝いと卒業祝いにパーティーをした。
エリックと俺たちが一緒に過ごしたのはたった1年で、
2年もの空白期間があったにもかかわらず、
皆はエリックと夢中に話した。
まだ酒の飲めない俺たちは、食べて飲んで騒いで・・・
あっという間に時間が過ぎた。
「お前たち、悪いな、俺用事があるからそろそろ失礼するよ」
名残惜しそうに店をでるエリック。
俺はエリックと話し足りず、追いかけた。
「エリック先生!」
「あはは」
「何だよ?」
「もう卒業したから、 ”先生” はつけなくてもいいぞー」
「折角意識して言ったのにー!!」
大笑いしながらも、またくだらない話をして歩く。
「ところで、どこいくの?」
「大切な人のところ」
「エリック、彼女いたの?」
「まぁ~ね~」
「何だよ、居るなら居るって言えよ」
「何でお前に報告しないといけないんだよ!」
確かにそうだ。
俺に報告する義務はないけど、
親友のような感覚だったから、
知らされていない事に、少しショックを受けた。
「はぃ、到着。お見送りご苦労様」
そこは町の外れにある小さな教会だった。
ヘソンとの最初で最後のデートをしたところで、
明日俺が告白する教会だ。
「エリックの彼女見せてよ」
「お前に見せたら取られるから嫌だ。」
「そんな美人?」
「そうだよ。やっぱ取られる事はないか。
俺たち相思相愛だから♪」
「何だよ、人のノロケはいらん!」
「ジナ、またな」
「うん」
そういって、エリックは教会の中に入って入った。
エリックの彼女。
すごく興味があった。
どんな美人なんだろう?
ひと目みてみたくなり、教会の窓からのぞいてみるも、
窓の位置が高く、さらに植物が邪魔して全然見えない>_<。
諦めて教会を後にしたとき、
聞き覚えのあるメロディが耳に入ってきた。
ヘソンだ。
少しずつ完成する曲を誰よりもそばで聞いてきたんだから、
間違うはずはない。
ヘソンが1年半かけて作った曲。
大切な人へ捧げる曲だ。
その瞬間エリックとヘソンが一直線につながった。
”今日は大切な用事がある”と言ったヘソン
”大切は人がいる”といったエリック
2人の似た雰囲気や感覚、注意する口癖。
男同士の恋に対して抵抗のなかったエリック。
”美人が来ても口説くなよ”ってヘソンの事だったのか?
2人は俺の存在を共通して知っていのだろうか?
驚きと恥ずかしさと淋しさと切なさと・・・色々な感情がこみ上げ
その場から勢いよく走りだした。
夕暮れ時の冷たい空気の中、
頬を伝うものがやけに温かく感じた。
翌日・・・俺は教会へ行けるはずもなく・・・
初恋は終わった。
俺は都会の大学へ進学した為、
その後2人には会っていない。
初雪が降る頃、俺は時々あの時の事を思い出す。
似合いのカップルだな。
今では思い出すと、クスっと笑ってしまう。
元気にしてるかな?
今ならエリックに、「俺もヘソンが好きだー」と
冗談半分で言える気がする。
エリックは「あげない」って言うだろう
懐かしいな・・・
今年は帰省してみようかな。
おしまい。
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文才ないので、今回も写真でごまかしております(笑
RicJinSungのお話ですが、
結果的にはりくしょん^^
アルバムの曲を聴いた時、
最初と最後の曲がプロローグ・エピローグのように
アルバム全体がお話のように感じました。
なかなか感情移入できるようなお話は書けないけど、
妄想を思いっきり書き出しました。笑
シナのメンバー・・・・
脇役ですが、友達のエンディ、先生にミヌ、
個人的には学年主任のドンワンが気に入ってます。笑
このお話、りくしょん加工したアノ写真をもとに、
ヘソン視点でも作れそうな・・・?
頭の中で妄想が駆け巡ります。笑
読んでいただき、ありがとうございました。
「コメント」か「拍手ポチ」をして頂けると
嬉しいです・・・♪
まるごとイメージしたお話です。
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RicJinSung
「冬の淡い記憶」
俺はパクチョジン。
これは俺が高校生の時の話だ。
俺は田舎町の高校に通っていた。
田舎の高校にしてはダンスが有名で、
俺は毎日部活に励んでいた。
1年の冬。
2年への進級テストが終わった頃、
クラス担任が兵役へ行く事を知らされた。
担任の名前はエリック。
英語教師でダンス部の顧問だ。
こいつの趣味は「ダンス」と言いたいところだが、
「睡眠」だと思う。
暇さえあれば寝ているような?
ヒドイ時は俺らの部室で眠っている。
人懐っこすぎる悪戯好きの担任だ。
生徒か先生か見分けがつかないような奴だから、
何でも話せる親友のように、
俺は毎日楽しい高校生活を送っていた。
しかし、急に兵役と言われ、ひどく淋しさを感る。
エリックは
「俺の代わりに美人がきても口説くなよ!
お前ら手を出したら容赦しないぞ!」と言葉を残して行った。
そして、赴任してきた新しい担任は・・・。
「イ・ミヌです。よろしくお願いします」
俺は窓の外を眺め、”どこが美人なんだよ”と呟いた。
エリックの言葉を信じたクラス全員の男がため息をついた。
あいつのニヤリとした顔が思い出される。。。
どこまでも俺達をからかいやがって
・・・エリックのバカ。
2学期制の高校。
2年の1学期が終わり、10月の秋休みになった。
部活の顧問はエリックからミヌへと引き継がれていた。
ミヌはエリックと同様ダンスのプロフェッショナルで、
昔一緒に活動していたらしい。
選手権も近いことから、俺は毎日ミヌにレッスンしてもらっていた。
日曜日の朝。
今年一番の寒さとあって、
俺は小走りに部室へと向かう。
途中、誰も居ないはずの音楽室から
優しいメロディが響いてきた。
俺は気になって中庭から音楽室を覗いた。
外からみる音楽室は
ピアノを弾いては楽譜に何か書き込む人影が。
誰だあいつ?
明らかに学生ではない。
障害物が多く、よくは見えないけど、
少し長めの髪をザックリと結んだ人がいた。
翌日もそのメロディに惹かれ、
俺は自然と音楽室に足を向けた。
そして、中を覗くと、そいつと目が合ったんだ。
俺に気づくと
こっちへ向かってきた。
オトコ?
シルエットから俺はてっきり女かと思っていた。
古い校舎の窓はなかなか開かないようで、
上を向いて窓枠を叩いたり、揺らしたり・・・
少し苦戦していたが、
男のこいつを美しく思えた。
やっと開いた窓。
外気にさらされた乳白色の綺麗な肌が
陽の光で輝いてみえた。
「何かご用ですか?」
細面のこの男は上半身を窓の外へだし、俺に言葉をかけた。
声も綺麗だ。
「今の曲何?」
「え?」
「あ、ごめん・・・いや、お兄さん、学校の人?」
そいつは
「お兄さんねぇ。。。」とクスっと笑った。
「俺、一応先生だよ。」
「そうなんだ?。」
「そこ、寒いだろ?こっちに来たら?」
俺は窓をよじ登って音楽室へと入った。
その行動にすこし驚いたようで・・・
「誰が窓から入って来いって言った?」と、また笑っていた。
俺はなんだか恥ずかしくなってしまった。
「音楽を担当するシンヘソンです。よろしく」
「俺、ダンス部なんだけど、色々な音楽に興味があるんだ。
さっきヘソンが弾いた曲、あれ何ていうの?すごく良かった」
「おぃ、初対面で先生を呼び捨てにすんなよなー」
「あっ。」
「何?」
「あいつと一緒だ」
「え?」
「俺の元担任。今兵役へ行って居ないんだけど、
そいつがいっつも呼び捨てにすんな!って言ってたからさ。」
「へ~そうなんだ。」
「でさ、ヘソン、さっきの曲は」
「アハハハ」
「何?」
「今注意したばっかじゃん。」
「そっか、ヘソン先生」
ヘソンは先生だけど、
初対面なのに波長が合うというか、
すごく話しやすくて友達みたいだった。。
そう、エリックとタイプは違うけど、
どこか似てるような。。。そんな印象。
でも、エリックと違ってヘソンは美しかった。
それからは、部活の前後にヘソンの音楽室へ行くのが日課になった。
部活の後は疲れた体をヘソンのメロディで癒し・・・
音楽室で寝てしまう事もあった。
少しでもヘソンを見ていたくて、
俺は瞼が閉じるギリギリまでヘソンを見つめていた。
短い秋休みはあっという間に終わり、
2学期が始まった。
新学期の全校朝会。
新しい教員としてヘソンが紹介された。
俺の横を通ってステージへと上がる。
長めの前髪。
後ろにゆるく結んだ髪が、頬にかかり色っぽく思えた。
今日のヘソンはいつもと違って、少し緊張している。
そして、ヘソンが挨拶をすると、周りが一瞬ザワついたように思う。
やはり ”かっこいい” という言葉より ”綺麗” という言葉が似合うヘソン。
他の生徒もヘソンの魅力に気づいてしまったようだ。
そんな中、ヘソンはステージの上から俺を見つけると、
少し笑顔になり、何故かウィンクしてきた。
思わず目をそらしてしまった。
俺の前に立っていたエンディが振り返り、
「俺、恋に落ちた」とつぶやいた。
「へっ?」
間抜けな声が出てしまったが、
ヘソンが俺に向けたウィンクを
エンディは受け取り間違いをしてしまったようだ。
あれは俺にしたんだぞ!
そう言い正せるハズもなく・・・
「エンディ、ヘソンは男だぞ?!」と
否定的な言葉を伝えた。
「うん。でも良い。
俺、ヘソン先生が好きになっちゃったみたい」
「バーカ」
とは言ったものの、
ライバル出現のような・・・
少し焦りを感じるのも事実だ。
俺はヘソンが好きなのだろうか?
俺たちの私語に学年主任のドンワンが睨んでいた。
放課後、俺はいつものように音楽室へ行った。
ガタガタと音を立てて開く木戸。
「あ、ジナ~、ごめん、
今良いフレーズが浮かんだんだ。ちょっとまってて」
そう言って頭に浮かんだ音符を忙しく書き留めていた。
ヘソンは暇さえあればいつも作曲をしているようだ。
俺はそんなヘソンを眺め、癒やされていた。
ヘソンのそばに居るだけで幸せだった。
ある日の廊下
「ジ~ナ~!丁度よかった、書類拾って!!」
俺は書類を拾うと、
半分荷物を持った。
「一回貸しね」
「先生に向かって貸しってなんだよ!」
「いいじゃん」
「一応聞いとくけど、どうやったらその貸しは返せる?」
「ヘソン先生が作ってる曲を俺にくれたらチャラ。
ダンス大会の時に使いたいんだ」
「・・・ごめん、あれはあげられない」
「どうして?」
「大切な人にあげる」
そういわれ、すぐ女が過ったけどドキドキしながら聞いてみた。
「彼女?」
「違うよ」
その言葉に安心した自分がいた。
「じゃー男友達?」
「まぁな」
「いいなー、そいつが羨ましいっ」
「やきもち?」
「誰が男にヤキモチやくかよ!」
クスっと笑うヘソンが可愛かった。
「じゃあさ、完成したら1番に俺に聞かせて?」
「・・・・いいよ」
少しためらったようなヘソンだったけど、承諾してくれた。
ある寒い日の夕方
部活の帰りに音楽室を見ると、
ヘソンが物思いに窓の外を眺めていた。
しかし、その顔は淋しげな表情へと変わる。
どうしたんだろう?
優しく抱きしめて寄り添ってあげたい。
そんな気持ちを抱いた自分に
俺はヘソンが好きなんだと実感した。
しかし、今の俺は何もしてあげられない・・・
「ヘソ~ン!初雪だよ!」
俺は大声でヘソンを呼んだ。
窓の外を見ていたにも関わらず、景色は見ていなかったようだ。
すごく嬉しそうな表情へ変わり、
教室の外へ出てきた。
「わーーー!!ジナ、この地域って雪降るんだね!
俺の育った町では殆ど雪が降らないんだ」
そう言って、ヘソンはすごくはしゃいでいた。
「ジナ、アレ乗ってみようか?」
「ヘソン!それは止めた方がいいよ!!」
俺の静止を聞かず、ヘソンは自転車に乗った。
降り始めの少しだけ雪がたまった場所をめがけて走りだす。
「危ないって!!」
そして案の定ヘソンはコケた。
無茶だとわかってもやってみる。
やっぱりエリックに似てると思った。
「ジナも乗ってみなよ」
「俺は雪の中、自転車乗るのは得意だぜ!」
そう言って自転車に乗り、短距離をUターンした時、
ヘソンはまたどこか遠くを見つめていた。
ヘソンの見つめる先に俺は居ない。
でも、ヘソンをいつまでも見つめていられる
存在になりたいと思った。
男同士・・・
この感情を片付ける事ができず、
大人の男であるエリックに相談することにした。
エリックのいる宿舎
「よくきたなー!!!遠かっただろう?
どうした?俺に面会って珍しいな」
「あ、うん。・・・俺」
「何だよ?言ってみろよ」
「俺・・・男に恋したんだ。」
「そっか。で?」
「で?って、驚かないのか?」
「別にいいんじゃん?好きという気持ちに正直になって、
お互いが成立したら、それは問題ないだろ?」
いともすんなり言うエリックに、
今まで散々悩んだ俺はいったい何だったのか?と笑えた。
「ありがとうエリック」
「え?もう終わりか?」
「うん。エリックに会ったら解決した」
「そっか、じゃー俺に感謝しろよ!(笑
まっ、お前がどうしたいかが重要だ。頑張れ。」
「うん。」
「ところで、お前、ずっと人の名前呼び捨てにして、”先生”を付けろよな」
その言葉に俺は笑った。
「何?」
「いや、俺の好きな奴がよく使うからさ。」
「ちょっと待った、好きな奴って俺か?
だからここまで会いに来たのか?
俺はお前に告られても、俺は無理だぞ!!!」
「っちょっと待てよ!!誰がエリックに告るかよ!!!」
「だよな。」笑笑笑
「ってか、先生に恋したのか?」
「え?あ・・・うん」
「若いっていいな。
まっ、恋もいいけど、受験勉強も頑張れよ!」
翌日俺は勢いに任せてヘソンに告白した。
いや、告白しようとしたんだけど・・・
「ヘソン、俺、好きな人ができた」
相手は大人の男だ。
ストレートに言うのが怖くって、
徐々に告白しようと思ったら・・・
「お!そうか!良かったな!
ジナみたいなカッコいい男から告白されたら、
すっごい嬉しいと思うよ!頑張って告白しろよ!!」
ものすごくテンションを上げて捲し立てるように話すヘソンに、
「ヘソンが好きだ」と言えなかったT_T
苦し紛れに
「デートするならどこへ行ったらいいと思う?ちょっと付き合ってよ!」と
まだ赴任して間もないヘソンに町の案内をすると言って
ヘソンとデートすることにした。
待ち合わせは町外れの教会。
俺はかなり早く到着してしまった。
入口の扉は重厚で重く、ゆっくりと開いた。
ステンドグラスを通して差し込む光が、
キラキラと神聖な雰囲気を醸し出す。
かなり早く到着したハズなんだけど、
既にヘソンが居た。
綺麗だ。
そこに存在しているだけで、絵になる。
この日の俺はヘソンを独り占めしている事に陶酔し、
どこを歩いたのか覚えていない。
それから・・・
あっという間に時は流れる。
高校3年の秋。
受験勉強でなかなかヘソンと会えない日が続いた。
授業中、ぼんやりと中庭を見つめていると、
ベンチに座っているヘソンを見つけた。
ヘソン、髪切ったんだ。。。
なんでだろう?
似合ってたのに。
何読んでるのかなー?
ヘソンがふと空を見上げた。
全てが綺麗だった。
でも、切ない顔をするヘソンを見るのは苦手だった。
誰がヘソンをあんな顔にさせてるんだろう?
俺がもっと大人だったら・・・
翌日、俺は音楽室をのぞいた。
まただ。
昨日と同じ表情をしていた。
ヘソン・・・俺は声を掛けることもできず、その場を後にした。
そして、俺はヘソンへの感情を表に出せないまま、
春を迎えた。
大学進学がきまり、
そして、ヘソンとの別れを迎える。
俺はちゃんとヘソンに告白をしようと決めた。
男同士。
粉砕覚悟。
それでいい。
俺の気持ちを伝えるだけでいいんだ。
ヘソンはどんな反応をするんだろう?
そんな事を考える余裕はなかった。
卒業式の前日
俺はヘソンに呼ばれ、音楽室に来ていた。
「あ、きたきた!」
「ヘソン先生どうしたの?俺を呼び出すって珍しいじゃん」
ヘソンの表情はとても嬉しそうだった。
「お前の貸し、まだ返してなかったからさ。」
「え?!もしかして完成したの?!すごいじゃん!!おめでとう!!」
「今日の放課後、音楽室に来れるか?」
「もちろんだよ」
放課後、俺は音楽室へ行った。
「お待たせ」
「おぅ」
俺は興奮しながらも、
ピアノに体を預けて聞く体制を整える。
Winter Poetryより 08 去年の夏の記憶
奏でられる曲は
淋しいような?でも優しく包まれるような
独特なメロディーだった。
俺は思わず涙がこぼれた。
演奏が終わると、「ジナ、ありがとう」
そう言って、ヘソンは立ち上がり俺を優しく包んでくれた。
俺はそんなヘソンの香りをたっぷりと吸い込んだ。
「ヘソン先生、明日なんだけど、あの教会で会えないかな?」
「明日?ごめん、明日は大切な用事があるから・・・」
「そっか。じゃあ明後日は?」
「いいよ。」
そして俺の告白の日が決まった。
卒業式の日
俺たちの卒業式は、ちょうどエリックの除隊日だった。
俺たちはエリックの召集解除祝いと卒業祝いにパーティーをした。
エリックと俺たちが一緒に過ごしたのはたった1年で、
2年もの空白期間があったにもかかわらず、
皆はエリックと夢中に話した。
まだ酒の飲めない俺たちは、食べて飲んで騒いで・・・
あっという間に時間が過ぎた。
「お前たち、悪いな、俺用事があるからそろそろ失礼するよ」
名残惜しそうに店をでるエリック。
俺はエリックと話し足りず、追いかけた。
「エリック先生!」
「あはは」
「何だよ?」
「もう卒業したから、 ”先生” はつけなくてもいいぞー」
「折角意識して言ったのにー!!」
大笑いしながらも、またくだらない話をして歩く。
「ところで、どこいくの?」
「大切な人のところ」
「エリック、彼女いたの?」
「まぁ~ね~」
「何だよ、居るなら居るって言えよ」
「何でお前に報告しないといけないんだよ!」
確かにそうだ。
俺に報告する義務はないけど、
親友のような感覚だったから、
知らされていない事に、少しショックを受けた。
「はぃ、到着。お見送りご苦労様」
そこは町の外れにある小さな教会だった。
ヘソンとの最初で最後のデートをしたところで、
明日俺が告白する教会だ。
「エリックの彼女見せてよ」
「お前に見せたら取られるから嫌だ。」
「そんな美人?」
「そうだよ。やっぱ取られる事はないか。
俺たち相思相愛だから♪」
「何だよ、人のノロケはいらん!」
「ジナ、またな」
「うん」
そういって、エリックは教会の中に入って入った。
エリックの彼女。
すごく興味があった。
どんな美人なんだろう?
ひと目みてみたくなり、教会の窓からのぞいてみるも、
窓の位置が高く、さらに植物が邪魔して全然見えない>_<。
諦めて教会を後にしたとき、
聞き覚えのあるメロディが耳に入ってきた。
ヘソンだ。
少しずつ完成する曲を誰よりもそばで聞いてきたんだから、
間違うはずはない。
ヘソンが1年半かけて作った曲。
大切な人へ捧げる曲だ。
その瞬間エリックとヘソンが一直線につながった。
”今日は大切な用事がある”と言ったヘソン
”大切は人がいる”といったエリック
2人の似た雰囲気や感覚、注意する口癖。
男同士の恋に対して抵抗のなかったエリック。
”美人が来ても口説くなよ”ってヘソンの事だったのか?
2人は俺の存在を共通して知っていのだろうか?
驚きと恥ずかしさと淋しさと切なさと・・・色々な感情がこみ上げ
その場から勢いよく走りだした。
夕暮れ時の冷たい空気の中、
頬を伝うものがやけに温かく感じた。
翌日・・・俺は教会へ行けるはずもなく・・・
初恋は終わった。
俺は都会の大学へ進学した為、
その後2人には会っていない。
初雪が降る頃、俺は時々あの時の事を思い出す。
似合いのカップルだな。
今では思い出すと、クスっと笑ってしまう。
元気にしてるかな?
今ならエリックに、「俺もヘソンが好きだー」と
冗談半分で言える気がする。
エリックは「あげない」って言うだろう
懐かしいな・・・
今年は帰省してみようかな。
おしまい。
-----------------------------------------------------------------
文才ないので、今回も写真でごまかしております(笑
RicJinSungのお話ですが、
結果的にはりくしょん^^
アルバムの曲を聴いた時、
最初と最後の曲がプロローグ・エピローグのように
アルバム全体がお話のように感じました。
なかなか感情移入できるようなお話は書けないけど、
妄想を思いっきり書き出しました。笑
シナのメンバー・・・・
脇役ですが、友達のエンディ、先生にミヌ、
個人的には学年主任のドンワンが気に入ってます。笑
このお話、りくしょん加工したアノ写真をもとに、
ヘソン視点でも作れそうな・・・?
頭の中で妄想が駆け巡ります。笑
読んでいただき、ありがとうございました。
「コメント」か「拍手ポチ」をして頂けると
嬉しいです・・・♪
Ricsung short story
【secret Cohabitation】
「秘密の同棲」
主にファンミが話ネタです
毎度、文章力ないくせにゴメンナサイ T_T
「and more」から→ → → → → → → → → → ↓↓↓
【secret Cohabitation】
「秘密の同棲」
主にファンミが話ネタです
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(エリック視点)
2012年10月
ヘソンが日本から戻ってくる、
真っ直ぐ俺たちの部屋へ。
もうそろそろかな?
きっとお腹を空かせて、
”エリ~、動けない…飯作って~”って言うはず。
普段はヘソンが料理を担当する。
でも、海外から帰国した時は、
俺がヘソンに料理を作る。
滅多にないんだけどさ。
あ、俺たち同棲してるんだよね。
世間的には同じマンションの
別室に住んでる事になってるけど、
そこは…ね。
こないだの神話放送だって、
玄関口で撮影っていうから、
そりゃー困ったよ。
俺達の仲を知ってるカメラマンに無理やりお願いして、
撮影してもらってさ。
そうそう、あの時は玄関の角度を
ちょっとずらして撮影してもらったんだよね。
別の部屋みたいだっただろ?
ヘソンは玄関先で。
俺は入口の外で。
でも俺、その後大失敗。
部屋の暗証番号間違っちゃった。
だって、普段はヘソンが空けてくれるから、
あんまり覚えてなくてさ。
あの後の視覚マジックをもう一つ言うと、
「地下駐車場で俺たちは初顔合わせ!」となった映像。
駐車場へ向かうエレベーターの中、
俺とヘソン、別々の様だけど・・・
実は同じエレベーターに乗ってました~!!
なかなか俺たちも大変なんだぜ。
そうえいば!
神話放送始まった頃の前のセルフカメラ。
入浴シーンのヘソンは俺が撮ったんだ!。
暗闇のベッドの上のヘソンもね。
なぜ暗闇だったか?
だって、先に俺がベッドで撮影しちゃったから、
ヘソンがベッドで撮影したら、
同じベッドで撮影したらバレるだろ?
だから、ヘソンは真っ暗に。
真っ暗な方がヘソンと絡みやすいしさ。
え?そんな事聞いてないって?
まぁ~、そんなこんなと、
色々なミッションを超えながら
俺たちは幸せに暮らしている。
脱線してしまったけど、俺の料理。
レパートリーは少ないけれど、
「お腹空いた時に食べるエリの辛ラーメンが
一番うまい!」
と、ヘソンが言うから、
俺にとっては自慢の料理だ。
今日は特別具沢山な辛ラーメンを準備。
<ガチャっ>
「エリ~、腹減ったー何か食わせて~」
帰宅の第一声がコレかよ…
「おかえりヘソナ~」
俺は玄関にヘソンを迎えに行った。
「ヘソナ、”ただいまのキス”は?」
「ソレより腹減った」
”ソレ”ってなんだよ!
・・・俺には大事なのに~T_T
横目で俺を睨みながらダイニングへと向かうヘソンを
後ろから追いかける。
「エリ、腹減った。」
「はぃはぃ、そういうと思って、辛ラーメン用意してるよ」
「まじで?!ありがとう!!今日は辛ラーメンが食いたかったんだよ!」
知ってる。
なぜなら、俺はヘソンを待っている間、
ペンのブログでヘソンがファンミーティングで何をしたか
チェックしてたんだ。
そしたら、ラーメンは味噌味が好きで、
特に味噌の辛ラーメンが大好きだって。
ヘソンはきっと、”エリックの作った”って言いたかったのを
グッと我慢したんだろうな…と、
ブログを読みながら、思わずニヤケてしまったよ。
さて、そんな事を思い出しながら、
辛ラーメンの最後の仕上げ。
「とりあえず、先にサラダでも食ってて」
「さんきゅー^ ^」
「今日のエリは気が利くな」
「今日の???せっかく辛ラーメン完成したのにな~、
そんないい方してもいいのかな?」
「ごめん、エリ。いつもだよ。いつもお前は気が利くよ」
感情のない棒読みで答えるヘソンだけど、
まぁいっか。
「はい、どーぞ♪」
「うまそ~!!いただいきまーす♪」
アツアツのラーメンをアヒル口でふーふーするヘソン。
目をつぶってラーメンをモグモグするヘソン。
スープをすするヘソン。
全部可愛い。
突っ立ったっま思わずジーーーッと見つめてしまう。
「ヘソン、うまい??」
「お腹空いた時に食べるエリの辛ラーメンは一番うまいよ」
やっぱり言った。
言うと思った。
「エリ、何突っ立ってんの?座れば?」
確かに・・・
でも、ヘソンが魅力的すぎるから見とれてしまうんだ。
ファンミでも言われたんだよな?
”ヘソンは魅力の塊”って。
それは俺も共感できる。
でもそれって敵が多いって事だろ?
やっぱ、ヘソンを一人行動させるのは心配だなー。
次のファンミは俺もついて行こ~。
椅子に腰かけ、机に寝そべるようにして、
やっぱりヘソンに見惚れていた。
「ねぇ、ヘソナ~、ファンミの様子をブログで読んだんだけどぉ~」
「は?お前は俺のファンかよ」
「いや、彼氏」
「バ~カ」
呆れた顔だけど、美味そうにラーメンをすするヘソン。
「ヘソナ~、ファンミのプロフィールで気になったんだけど、
お前ってお酒を飲んだらイビキをかいて寝るんだよな?
疲れている時はスヤスヤ眠るんだよな?」
「それが何か?エリがいつも言ってるじゃん」
「そうだけど、俺が言ってる事を公表しても良かったわけ?」
「あ・・・っ」
「だろ?ヘソンの寝姿なんて、第三者じゃないとわかんないよね?」
「・・・・」
気まずそうに眉間にシワを寄せ、
下唇を突き出すヘソン。
これもまた可愛い。
「ま、ペン達もそんなに気づいてないと思うよ、気にするな!」
「じゃー言うなよ!!」
ん?俺怒られた?
飯に必死なヘソンにただ流されたのか?
俺はヘソンに構って欲しくて、話を続ける。
「でさー」
「まだ何かあんの?」
面倒くさそうに言うヘソン。
「お前、嘘が上手くなったよな。」
「は?誰がいつ何の嘘をついたんだよ?!!!」
「お前、ここ一か月は俺と二人きりで食事してないって言っただろ??」
「そうだよ」
「どこがだよ!二人きりで食事してるじゃん!」
「ここ1か月に関しては、二人きりで食事はしてません~!」
「は?何でそんな事言うんだよ?」
「お前には見えてないのか?」
「は?」
ヘソンは霊感強かったか???
俺はキョロキョロと周囲を見回してみる。
うん、居ない。見えない。
「エリ~、お前さ、このジョンヒョク見えてないのか?」
ヘソンが指をさしたのは、ダイニングの椅子に座らせてある
大きなクマのぬいぐるみ。
あ・・・これって、1か月前の撮影でもらったクマ。。。
そうだ、このクマはヘソンが喜びに満ち溢れすぎた為、
モデルの子が気を遣って、「これはヘソンさんにあげます!」って
言われて持って帰ったクマだ。
あの日以来、俺の定位置にこいつが座ってる。
正直邪魔なんだけど・・・
・・・って、ヘソン、今このクマの事を【ジョンヒョク】って呼んだ?
気のせいだったか???
「クマが頭数に入るのか?」
「そうだ。だから俺は嘘ついてない。
ちゃんとマネージャー【とか】って言ったし」
「そ、そうだな。。。??」
ヘソンの機嫌をそこねないよう、
ひとまず俺は共感してみた。
でも、このクマがヘソンにとっては3人目?
ヘソンのこの感覚、可愛いな~。
「ヘソン、このクマの名前、何って言った?」
「白クマ」
「あっそう。。。」
さっき絶対、【ジョンヒョク】って言ったのにな。
ヘソンは俺が居ない時、こいつを俺だと思ってるんだな~^^
クククッ
俺は心で小さく笑った。
「何ニヤニヤしてんだよ!気持ち悪い!」
あれ?俺の心の笑いがヘソンには届いたのか???
「気持ち悪いと言えば、ねぇ、ヘソン~、
ファンミでお尻触られたって??」
「そーなんだよ!!!それがさー、会場を歌いながら歩いてたら、
触れるような触れないような、
微妙な感じでペンの子達が触ってくるんだよ!
あれには参ったねー」
勢いよく話し出したヘソン
「そんなに大勢に?」
「まぁ…ね。仕方ない事だろうけどさ、困るよな。」
はぃラーメンご馳走様」
ヘソンは一気に俺のラーメンを食べ終え、
椅子の背もたれに体を預けた。
「旨かった~」
そう言って手を拭いたり、口を拭いたり。。。
「お前、お尻触られた相手と結婚しないといけないって
ファンミで言ったよな?
俺、ヘソンのお尻触った経験者だけど・・・・
俺、ヘソンと結婚すんの?」
「え?しないのか???」
一瞬視線をこちらに向けたけど、
サラリとものすごい事を言われたぞ!
何?俺の方が衝撃過ぎて目をパチパチとさせてしまう。
俺とヘソンの愛情を不等号で表すと、
絶対俺の方が大きくて、
ヘソンは俺の愛に付き合ってくれている程度だと思ってた。
でも今の…今の言葉からすると、
ヘソンと俺の愛情はイコールって事だよな?
いや、ヘソンの方が大きいか?
プロポーズは”絶対俺から”と思っていたけど、
まさかの急展開!!
俺は嬉しくてウルウルと、
ただヘソンを見つめていた。
ヘソンも少し恥ずかしく思ったのか・・・
それとも照れたのか?
俺の視界を邪魔してきた。
サッとペーパーをとったヘソンは
少しだけ照れ笑いしているように見える。
あまりにも言葉の衝撃が大きすぎて、
ヘソンの悪戯にさえ、まだ動けない俺。
沈黙が続き、通じて無いと思ったのか、
改めてヘソンが俺に言った。
「エリ・・・・」
「俺たち結婚しないのか?」
当たり前のように言い放つヘソンに
俺は左右に大きく頭を振った。
「じゃーなんで何も言わないんだよ?
お前体調悪いのか?」
勝手な勘違いで急に不安がるヘソン
ヘソンの手が俺にのびてくる
「エリ、大丈夫?熱でもあんのか?」
ヘソンの手が額の温度を計る
表面的には平温だけど、
俺の体内は沸騰していた。
「だ、大丈夫だよ!!感動しすぎて言葉が出ないダケだ!」
俺の言葉に小さく笑い、
おもむろに立ち上がったヘソンが近づいてきた。
「エリ、俺、幸せだよ」
”チュッ”
「風呂入ってくる」
そう言ってヘソンが俺から離れて行った。
ヘソンが自分からキス?
未だ動けない俺。
普段絶対にこんな事ありえない!
やっぱり日本に行ってる間淋しかった反動か?
ヘソンが俺を誘っているのか?
俺もヘソンのプロポーズに応えなければ?!!!
「ヘソナ~、今のキスじゃ足りな~ぃ。俺も一緒に入る~」
バタバタとヘソンの後を追いかける。
「来るなよー」と拒むけど、嬉しそうなヘソン。
俺って…愛されてるー♪
これからもずっと仲良くしようね、ヘソン!
おしまい。
-----------------------------------------------------------------
読んでいただき、ありがとうございました。
いつものおバカな妄想話ですいません。
ファンミのプロフィールで「寝姿」を公表してましたよね?
お話にも書きましたが、寝姿って自分ではわかりませんよね?
絶対エリックが言ったんだと激しい妄想になり。。。このお話となりました。
今回も無理やりイメージ写真を付けてみました。
もうこのお話の為の写真にしか見えない私。
相当ヤラレてます。
画像のほとんどは雪のメロディーの動画からとりました。
久々に見た雪ノメロディー。
何だか新鮮でしたよ^^
誤字脱字ばかりかと思いますが、
今後もまたおバカな妄想に
どうぞお付き合いくださいませ。
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(エリック視点)
2012年10月
ヘソンが日本から戻ってくる、
真っ直ぐ俺たちの部屋へ。
もうそろそろかな?
きっとお腹を空かせて、
”エリ~、動けない…飯作って~”って言うはず。
普段はヘソンが料理を担当する。
でも、海外から帰国した時は、
俺がヘソンに料理を作る。
滅多にないんだけどさ。
あ、俺たち同棲してるんだよね。
世間的には同じマンションの
別室に住んでる事になってるけど、
そこは…ね。
こないだの神話放送だって、
玄関口で撮影っていうから、
そりゃー困ったよ。
俺達の仲を知ってるカメラマンに無理やりお願いして、
撮影してもらってさ。
そうそう、あの時は玄関の角度を
ちょっとずらして撮影してもらったんだよね。
別の部屋みたいだっただろ?
ヘソンは玄関先で。
俺は入口の外で。
でも俺、その後大失敗。
部屋の暗証番号間違っちゃった。
だって、普段はヘソンが空けてくれるから、
あんまり覚えてなくてさ。
あの後の視覚マジックをもう一つ言うと、
「地下駐車場で俺たちは初顔合わせ!」となった映像。
駐車場へ向かうエレベーターの中、
俺とヘソン、別々の様だけど・・・
実は同じエレベーターに乗ってました~!!
なかなか俺たちも大変なんだぜ。
そうえいば!
神話放送始まった頃の前のセルフカメラ。
入浴シーンのヘソンは俺が撮ったんだ!。
暗闇のベッドの上のヘソンもね。
なぜ暗闇だったか?
だって、先に俺がベッドで撮影しちゃったから、
ヘソンがベッドで撮影したら、
同じベッドで撮影したらバレるだろ?
だから、ヘソンは真っ暗に。
真っ暗な方がヘソンと絡みやすいしさ。
え?そんな事聞いてないって?
まぁ~、そんなこんなと、
色々なミッションを超えながら
俺たちは幸せに暮らしている。
脱線してしまったけど、俺の料理。
レパートリーは少ないけれど、
「お腹空いた時に食べるエリの辛ラーメンが
一番うまい!」
と、ヘソンが言うから、
俺にとっては自慢の料理だ。
今日は特別具沢山な辛ラーメンを準備。
<ガチャっ>
「エリ~、腹減ったー何か食わせて~」
帰宅の第一声がコレかよ…
「おかえりヘソナ~」
俺は玄関にヘソンを迎えに行った。
「ヘソナ、”ただいまのキス”は?」
「ソレより腹減った」
”ソレ”ってなんだよ!
・・・俺には大事なのに~T_T
横目で俺を睨みながらダイニングへと向かうヘソンを
後ろから追いかける。
「エリ、腹減った。」
「はぃはぃ、そういうと思って、辛ラーメン用意してるよ」
「まじで?!ありがとう!!今日は辛ラーメンが食いたかったんだよ!」
知ってる。
なぜなら、俺はヘソンを待っている間、
ペンのブログでヘソンがファンミーティングで何をしたか
チェックしてたんだ。
そしたら、ラーメンは味噌味が好きで、
特に味噌の辛ラーメンが大好きだって。
ヘソンはきっと、”エリックの作った”って言いたかったのを
グッと我慢したんだろうな…と、
ブログを読みながら、思わずニヤケてしまったよ。
さて、そんな事を思い出しながら、
辛ラーメンの最後の仕上げ。
「とりあえず、先にサラダでも食ってて」
「さんきゅー^ ^」
「今日のエリは気が利くな」
「今日の???せっかく辛ラーメン完成したのにな~、
そんないい方してもいいのかな?」
「ごめん、エリ。いつもだよ。いつもお前は気が利くよ」
感情のない棒読みで答えるヘソンだけど、
まぁいっか。
「はい、どーぞ♪」
「うまそ~!!いただいきまーす♪」
アツアツのラーメンをアヒル口でふーふーするヘソン。
目をつぶってラーメンをモグモグするヘソン。
スープをすするヘソン。
全部可愛い。
突っ立ったっま思わずジーーーッと見つめてしまう。
「ヘソン、うまい??」
「お腹空いた時に食べるエリの辛ラーメンは一番うまいよ」
やっぱり言った。
言うと思った。
「エリ、何突っ立ってんの?座れば?」
確かに・・・
でも、ヘソンが魅力的すぎるから見とれてしまうんだ。
ファンミでも言われたんだよな?
”ヘソンは魅力の塊”って。
それは俺も共感できる。
でもそれって敵が多いって事だろ?
やっぱ、ヘソンを一人行動させるのは心配だなー。
次のファンミは俺もついて行こ~。
椅子に腰かけ、机に寝そべるようにして、
やっぱりヘソンに見惚れていた。
「ねぇ、ヘソナ~、ファンミの様子をブログで読んだんだけどぉ~」
「は?お前は俺のファンかよ」
「いや、彼氏」
「バ~カ」
呆れた顔だけど、美味そうにラーメンをすするヘソン。
「ヘソナ~、ファンミのプロフィールで気になったんだけど、
お前ってお酒を飲んだらイビキをかいて寝るんだよな?
疲れている時はスヤスヤ眠るんだよな?」
「それが何か?エリがいつも言ってるじゃん」
「そうだけど、俺が言ってる事を公表しても良かったわけ?」
「あ・・・っ」
「だろ?ヘソンの寝姿なんて、第三者じゃないとわかんないよね?」
「・・・・」
気まずそうに眉間にシワを寄せ、
下唇を突き出すヘソン。
これもまた可愛い。
「ま、ペン達もそんなに気づいてないと思うよ、気にするな!」
「じゃー言うなよ!!」
ん?俺怒られた?
飯に必死なヘソンにただ流されたのか?
俺はヘソンに構って欲しくて、話を続ける。
「でさー」
「まだ何かあんの?」
面倒くさそうに言うヘソン。
「お前、嘘が上手くなったよな。」
「は?誰がいつ何の嘘をついたんだよ?!!!」
「お前、ここ一か月は俺と二人きりで食事してないって言っただろ??」
「そうだよ」
「どこがだよ!二人きりで食事してるじゃん!」
「ここ1か月に関しては、二人きりで食事はしてません~!」
「は?何でそんな事言うんだよ?」
「お前には見えてないのか?」
「は?」
ヘソンは霊感強かったか???
俺はキョロキョロと周囲を見回してみる。
うん、居ない。見えない。
「エリ~、お前さ、このジョンヒョク見えてないのか?」
ヘソンが指をさしたのは、ダイニングの椅子に座らせてある
大きなクマのぬいぐるみ。
あ・・・これって、1か月前の撮影でもらったクマ。。。
そうだ、このクマはヘソンが喜びに満ち溢れすぎた為、
モデルの子が気を遣って、「これはヘソンさんにあげます!」って
言われて持って帰ったクマだ。
あの日以来、俺の定位置にこいつが座ってる。
正直邪魔なんだけど・・・
・・・って、ヘソン、今このクマの事を【ジョンヒョク】って呼んだ?
気のせいだったか???
「クマが頭数に入るのか?」
「そうだ。だから俺は嘘ついてない。
ちゃんとマネージャー【とか】って言ったし」
「そ、そうだな。。。??」
ヘソンの機嫌をそこねないよう、
ひとまず俺は共感してみた。
でも、このクマがヘソンにとっては3人目?
ヘソンのこの感覚、可愛いな~。
「ヘソン、このクマの名前、何って言った?」
「白クマ」
「あっそう。。。」
さっき絶対、【ジョンヒョク】って言ったのにな。
ヘソンは俺が居ない時、こいつを俺だと思ってるんだな~^^
クククッ
俺は心で小さく笑った。
「何ニヤニヤしてんだよ!気持ち悪い!」
あれ?俺の心の笑いがヘソンには届いたのか???
「気持ち悪いと言えば、ねぇ、ヘソン~、
ファンミでお尻触られたって??」
「そーなんだよ!!!それがさー、会場を歌いながら歩いてたら、
触れるような触れないような、
微妙な感じでペンの子達が触ってくるんだよ!
あれには参ったねー」
勢いよく話し出したヘソン
「そんなに大勢に?」
「まぁ…ね。仕方ない事だろうけどさ、困るよな。」
はぃラーメンご馳走様」
ヘソンは一気に俺のラーメンを食べ終え、
椅子の背もたれに体を預けた。
「旨かった~」
そう言って手を拭いたり、口を拭いたり。。。
「お前、お尻触られた相手と結婚しないといけないって
ファンミで言ったよな?
俺、ヘソンのお尻触った経験者だけど・・・・
俺、ヘソンと結婚すんの?」
「え?しないのか???」
一瞬視線をこちらに向けたけど、
サラリとものすごい事を言われたぞ!
何?俺の方が衝撃過ぎて目をパチパチとさせてしまう。
俺とヘソンの愛情を不等号で表すと、
絶対俺の方が大きくて、
ヘソンは俺の愛に付き合ってくれている程度だと思ってた。
でも今の…今の言葉からすると、
ヘソンと俺の愛情はイコールって事だよな?
いや、ヘソンの方が大きいか?
プロポーズは”絶対俺から”と思っていたけど、
まさかの急展開!!
俺は嬉しくてウルウルと、
ただヘソンを見つめていた。
ヘソンも少し恥ずかしく思ったのか・・・
それとも照れたのか?
俺の視界を邪魔してきた。
サッとペーパーをとったヘソンは
少しだけ照れ笑いしているように見える。
あまりにも言葉の衝撃が大きすぎて、
ヘソンの悪戯にさえ、まだ動けない俺。
沈黙が続き、通じて無いと思ったのか、
改めてヘソンが俺に言った。
「エリ・・・・」
「俺たち結婚しないのか?」
当たり前のように言い放つヘソンに
俺は左右に大きく頭を振った。
「じゃーなんで何も言わないんだよ?
お前体調悪いのか?」
勝手な勘違いで急に不安がるヘソン
ヘソンの手が俺にのびてくる
「エリ、大丈夫?熱でもあんのか?」
ヘソンの手が額の温度を計る
表面的には平温だけど、
俺の体内は沸騰していた。
「だ、大丈夫だよ!!感動しすぎて言葉が出ないダケだ!」
俺の言葉に小さく笑い、
おもむろに立ち上がったヘソンが近づいてきた。
「エリ、俺、幸せだよ」
”チュッ”
「風呂入ってくる」
そう言ってヘソンが俺から離れて行った。
ヘソンが自分からキス?
未だ動けない俺。
普段絶対にこんな事ありえない!
やっぱり日本に行ってる間淋しかった反動か?
ヘソンが俺を誘っているのか?
俺もヘソンのプロポーズに応えなければ?!!!
「ヘソナ~、今のキスじゃ足りな~ぃ。俺も一緒に入る~」
バタバタとヘソンの後を追いかける。
「来るなよー」と拒むけど、嬉しそうなヘソン。
俺って…愛されてるー♪
これからもずっと仲良くしようね、ヘソン!
おしまい。
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読んでいただき、ありがとうございました。
いつものおバカな妄想話ですいません。
ファンミのプロフィールで「寝姿」を公表してましたよね?
お話にも書きましたが、寝姿って自分ではわかりませんよね?
絶対エリックが言ったんだと激しい妄想になり。。。このお話となりました。
今回も無理やりイメージ写真を付けてみました。
もうこのお話の為の写真にしか見えない私。
相当ヤラレてます。
画像のほとんどは雪のメロディーの動画からとりました。
久々に見た雪ノメロディー。
何だか新鮮でしたよ^^
誤字脱字ばかりかと思いますが、
今後もまたおバカな妄想に
どうぞお付き合いくださいませ。
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Ricsung story
【The Story of Prince and Butler】
「王子と執事の物語」
毎度、文章力ないくせにゴメンナサイ T_T
「and more」から→ → → → → → → → → → ↓↓↓
【The Story of Prince and Butler】
「王子と執事の物語」
毎度、文章力ないくせにゴメンナサイ T_T
「and more」から→ → → → → → → → → → ↓↓↓
---------------------------------------------------------------------------
同じ城で生まれた二人は
同じ城で育った。
「ヘソン!」
「はぃ、エリック王子」
「もぉ~ヘソ~ン!”王子”ってつけなくてもいいってばー!」
「いえ、私は王子にお遣えする身ですから」
スーツに身を包み、身なりをキチンと整えたヘソンは
少しだけ微笑みエリック王子に答えた。
「わかるけどさー、生まれた時から一緒だぜ?
プライベートなんだから、いいじゃん」
だだをこねるように、エリックが甘える。
「王子と執事の間にプライベートなどの区別はありません。」
一人は城の王子"エリック"
一人は城に遣える庭師夫婦の子"ヘソン"
育った環境は全く違っていた。
小さな頃からエリック王子はヘソンを遊び相手にしていた為、
王様がエリックの側近として
ヘソンを執事として学ばせたのである。
しかしながら、いつまで経ってもエリックは友達感覚が抜けず、
いつも冒頭のような会話になる。
ある日、ヘソンは王様に呼ばれた。
「ヘソンや、王子はなぜ妃をとらぬ??
誰か好きな姫でもおるのか?
何か理由を知らぬか?」
「いえ、ワタクシは何も存じ上げません」
エリック王子は30を過ぎても
自ら姫君を集めるパーティーはおろか、
姫君たちの集まりには一切参加しなかった。
さらに、隣国の姫が訪ねてきても、
会うことは無かった。
「そうか…ワシも年じゃ。
そろそろ姫をとらせようと思うが、ヘソンはどう思うか?」
ヘソンは思わず息を呑んだ
執事として
「良いお考えだと思います」と
答えるのが精一杯だった。
何故か恐ろしい程動揺し、
その後、王様が何を話していたのか全く覚えておらず、
どうやって自室に戻ってきたかさえ分からなかった。
(どうして俺はこんなにも動揺しているんだろう?
お遣えしてる王子に結婚相手が来るだけなのに?)
頭ではわかっているハズなのに、
心が理解できず、涙が頬を伝っていた。
「エリック・・・」
ヘソンはいつの頃からか、
エリックの事を慕っていた。
誰よりもエリックの近くに居れる幸せと
叶わぬ恋の届かない思いがヘソンの中には混在していた。
結婚となると、嫌でもエリックの事を
諦めなければいけない。
こんなにもエリックへの思いが強い事を
改めて実感していた。
心を落ち着け、王子に内容を伝えるべく、
エリックの部屋へ向かう。
しかし、扉を前にすると胸にこみ上げるものがあり、
なかなか扉を叩けずにいた。
どれくらい立ち竦んでいたか・・・・
背後からエリックが呼び掛けてきた。
「ヘーソーン」
びっくりして振り向くと、
エリック王子が居た。
「王子、いつからそこに?」
「ヘソンが近づいてくる時からだよ。
この体制疲れるんだよなー。
驚かそうと思ったら、お前、神妙な面持ちで動かないんだもん、
タイミング逃しちゃったよ」
「失礼しました」
「いや、いいんだ。それより何かあったのか?」
ヘソンの肩を引き寄せ、そのまま部屋へ入ったが、
スルリとエリック王子の腕からすり抜けるヘソン。
「なんだよ、ちょっとくらいいいだろ!」
「いえ、おふざけはあまりされませんよう・・・・
それより王子!王様からお伺いしたのですが、
近々お妃様になる方をお連れになるそうです。」
「え?おやじ、再婚するの?」
「いえ、エリック王子にです」
「は?!無理無理。俺いらないよ。
ちょっとおやじに文句言ってくるよ。」
エリック王子が扉を開けると同時に、
チョンジン王子が入ってきた。
チョンジン王子、通称ジニ王子はエリック王子の弟である。
「エリヒョン!姫君が来るんだって?
いーなー。俺も欲しいな~!」
フワフワとリズムを取りながら、
部屋を歩き回る
「何だと?お前は姫をとっかえひっかえ…
不自由してないだろーが!」
「何だよ、ヒョンは不自由してるんだから、
姫が来たら丁度いいじゃん!姉妹とかいたら、
俺にもおこぼれあるかなー?!」
「バカか!?」
「いいじゃん!それよりさ、姫が来たらヒョンの執事って暇になるでしょ?
だったらさ、ヘソンを僕に頂戴よー」
ジニは慣れ慣れしくもヘソンの背後から抱きしめる。
「なに言ってんだ??!絶対だめだ!ベタベタ触んなよ!
ヘソンが嫌がってるだろ!!離れろよ!
ヘソンは俺のものだ!」
ヘソンはこの言葉が素直に嬉しかったが、
次の瞬間凍りついた。
「ヒョン、俺・・・・」
「俺、ヘソンの事愛してるんだ。だからヘソンをくれ!」
急にひざまずいたジニ
「なんだと?」
「ダメ??」
「ヘソンは男だぞ?男同志で・・・気持ち悪いんだよ!」
「ケチっ」
そう言い捨てて、ジニはそそくさと出て行った。
「ヘソン、悪かったな・・・」
「いえ・・・」
「あいつのパフォーマンスには付き合いきれないよ・・・」
ヘソンは動けずにいた。
ジニ王子の告白より、
エリックの言う男同士という言葉・・・
当然といえば当然だが、
心に秘めた部分をバッサリと切られたように
頭の中が真っ白になっていた。
静まり返る部屋の中、
エリックがお酒を注ぐ。
「なぁヘソン。
ヘソンは俺が結婚した方がいいと思うの?」
少し淋しそうな声でエリックが質問をした。
「やはり一国の後継者としては、姫君をとられた方が・・・」
「そうだよね。分かってるんだけど・・・
国の幸せと俺の幸せ、ヘソンはどっちを願う?」
「何を仰ってるのですか?」
「ごめん、変な事を聞いて。ヘソンもお酒飲む?」
「いえ、結構です」
他愛もない会話。
でも、エリックの結婚話とあって、
ヘソンはエリックの存在が急に遠く感じ、
淋しさがこみ上げてきた。
【姫君との結婚】
エリックがあまりにも王様に抗議をした結果、
ひとまず姫との顔合わせだけすることになった。
【見合い式当日】
「そこで何をしている!」
誰もいるはずのない場所に
人影が・・・
「あなた様は?」
姫との見合い式を面倒に思っていたエリックは
お城の裏にあるローズガーデンに逃げ出していた。
「俺?俺は…その…庭職人さ」
「そんな綺麗な身なりでですか?」」
「どーでもいいだろー!で、あんた誰?」
「いえ、ここは何も聞かず見逃してください」
「って、言われても…、不法侵入だぜ?
見逃す分けにはいかないなー。」
普段姫君には一切目もくれないエリックだったが、
暇つぶしに理由を聞き出そうとした。
「お願いです、お願いですから見逃してください・・・」
姫はエリック王子に縋りながら
急に泣き崩れてしまった。
「何?!どうした?」
これにはエリックの方がびっくりした。
エリックはローズガーデンの人目につかない
小さな小屋へ姫を案内した。
ずっと下を向いたまま、
ポツリポツリと姫が話し出した。
「私は本日こちらの王子様と見合い式を行います
ドンワンと申します。
私は何不自由なく育ちましたが、
城内から出た事がなく
外の世界を知りません。
ある日父である王様が、ミヌという青年を連れてきました。
その方は容姿端麗頭脳明晰、身体能力も抜群で
私はすぐに気に入りました
その事を父に伝えると、
私の執事としてやとってくれたのです。
しかし、私たちは恋におち、
彼の子を身籠りました。
この事実が王様の耳に届くと
彼はどうなるか分かりません
いっそ心中をしようかとも考えましたが、
新しい命に責任はありません
そこで、この見合い式で城を出られたのを機に、
執事のミヌと駆け落ちをする事に決めたのです。
ですから、どうかここは見逃してください。」
話終わると同時に、ドンワン姫が立ち去ろうとした。
「待て。」
エリックが静かに姫の手を捕まえた。
「俺に良い案がある」
「え?」
「お前はこの城の王子と結婚しろ」
「何を仰るんですか?私の話を聞いてなかったのですか?」
「いや、偽装結婚だ」
「何ですって?」
「結婚して、お前の側近としてミヌを置けば良いだろう。
そしてその子は、王子の子として育てる!良い案だろ?」
「あなた様の提案は嬉しいのですが、
このお城の王子はどうなりますか?そんな事、絶対に許してくれませんよ」
「大丈夫。王子も結婚したくない理由があるようだ…
もし上手くいかなかった場合は、俺が責任をとって城から出してやるよ」
ドンワン姫はここで庭師と会ったのも何かの運命と感じ、
提案を受け入れることにした。
「どこですかドンワン姫!」
遠くで男が呼ぶ声が聞こえる
「私、もう行かなくては!でも、今のお話、ミヌに話してみます」
そして姫は去って行った。
エリックが部屋へ戻ると、ヘソンが走りこんできた。
「エリック王子、どちらへいらしたのですか?
見合い式だというのに顔も出さずに…。」
ソファに座り天井を見つめるエリック。
「・・・・」
「もう姫君はお帰りになりましたよ・・・・」
一方的に話すヘソンに
エリックがふと目を合わせた。
「俺、あの姫と結婚するから」
「・・・・?!」
さらりと言うエリックに動揺を隠しきれないヘソン。
エリックを見つめたまま動けなくなってしまった。
そんな様子をエリックはただ見つめていた。
唇をかみしめ、やっとの思いで
「おめでとうございます」と口をひらいたヘソン。
「ありがと。でも、俺が結婚しても、お前はずっとココにいろよ?」
そんな言葉にヘソンの目から涙が出てきた。
「どうしたヘソン?」
「王子のご決断が嬉しくてつい・・・」
「ホントにそう思うのか?」
二人の思いは交差していた。
エリックが立ち上がり、ヘソンに近づく。
「王子、本日はこれで失礼致します」
執事としては正しい答えだった。
だがヘソンは感情を抑えることが出来ず
逃げるように部屋から出て行った。
嬉しい反面、エリックを想う心が限界だった。
それからというもの、
二人は少しだけ気まずい雰囲気のまま、
あっという間に結婚式の朝を迎えた。
【結婚式の朝】
あっさりと結婚を決心したエリック。
理由はどうあれ、幸せな顔で今日を迎えるのだろう、
城の事を思うと幸せを願わずにいられないが、
ヘソンは自分の感情をこれ以上抑える事が出来ず、
城からでる決断をした。
早朝の朝霧の中、裏庭のローズガーデン
ヘソンはそっと裏口から城を出ようとしていた。
「あのー!すいません!」
霧の向こうから女性の声で呼び止められた。
「あ、執事のヘソンさん!」
姿を現したのはドンワン姫だった。
「姫、先日は王子と会えずに失礼しました。
しかし、城に来て頂けて良かったです。
きょっ、今日はおめでとうございます。
王子をよろしくお願いします」
複雑な心境だった。
「あのぉ~!庭師の方はどちらへ行けば会えますか?」
「庭師ですか?庭師は私の両親ですが、何かご用でしょうか?」
「え?いえ、若くて背の高い庭師の方です」
「残念ながらこの城にそのような庭師はおりません」
「そうですか?」
残念そうに肩を落とすドンワン姫
「私はこれで失礼します」
姫に会釈をして立ち去ろうとした
「ヘソンさんはそんな大荷物で家出かしら?」
ヘソンは姫に背を向け歩き出した。
「待って!あなたがこのお城からでると、
王子はどうなるの?」
「・・・?」
「あなた、知らないの?
王子はあなたの事が好きなのよ?」
「な、何を仰ってるんですか?」
ヘソンは持っていた鞄をギュっと握りしめた。
「だって、庭師の方が言っていたわ。
ココだけの秘密って色々教えてくれたの。
今、私が秘密をばらさないと、
あなたの様子をみる限りでは
王子は失恋してしまうでしょ?」
「でも、王子は今日結婚を・・・」
「あなた、ホントに知らないのね?
執事としては失格じゃないかしら?
私達偽装結婚よ」
「え??」
ヘソンは心臓が止まりそうだった。
ヘソンは姫とミヌとのいきさつや、
庭師との話しを聞き、ただただ驚くばかりだった。
「ヘソンさん!それであの庭師の方はもう会えないのかしら?」
ヘソンは静かに涙を流していた。
「私ね、この日を迎える事が出来た事を
あの庭師の方へお礼を言いにきたのよ。」
「それはどうも♪」
どこからともなく、急に現れたのはエリックだった。
「庭師のエリックです」
エリックは真っ直ぐヘソンの所へ近づいてきた
「あら?”エリック”って、王子と同じ名前じゃないの?
庭師にしては綺麗だと思ったわ!」
エリックはドンワン姫にウィンクをした。
「私、お邪魔みたいだから、
王子、ヘソンさん、また後でね!」
「へーソーンっ♪
こんな朝早くから何してんの?」
「・・・涙」
立ち竦むヘソンの顔を覗きこむエリック
「なぁヘソン、この結婚、すごく良いアイディアだろ?」
「・・・・」
「今日は、ヘソンと俺の結婚式。
ドンワン姫とミヌの結婚式。
危うく俺は結婚相手に逃げられるところだったぜ」
「王子のバカ」
「誰に口きいてんの?」
「俺は姫じゃない!」
「そこかよっ。
わかってるって。
俺がジニに言った事を気にしてるんだろ?
アレは、あいつを追っ払う理由に過ぎないさ。
ヘソンならわかってくれると思ったけどな・・・
俺、ずっとヘソンの事が好きだったんだぜ?。
よその姫に会う時間があるなら、ヘソンを見ていたいし、
ヘソンの近くに居たいんだ。
朝一番にプロポーズしようとしたら、ヘソン、居ないんだもん。」
「私は…
私は、執事として距離を保っておかないと、
思いを抑えておくことが出来なかった
王子が近くに来る度に苦しい思いをしていました」
「知ってるよ。俺だって同じさ。
気づかなかったか?お前は俺のどこを見てたんだか。。。。?
俺達がどうしたら幸せになれるか
ずーーーーーっと考えていたんだ。
なのに、何だよっ!
お前は俺から逃げる事しか考えなかったのか??」
「・・・・」
「でも問題を抱えた姫が来てくれるお陰で、やっとそれが叶いそうだ。」
エリックはゆっくりとヘソンの前で跪いた。
「ヘソン、俺たち結婚するぞっ」
ヘソンが顔を頷けた途端、
エリックに抱き寄せられた
「王子っ!」
「ヘソン、嫌か?」
「嫌じゃないデス」
「ヘソン、俺の名前を呼んでくれないか?」
「王子・・・」
「違う!名前でだ。王子の命令」
「エ・・・エリック・・・」
額に優しくキスが落とされ
ヘソンは頬を赤く染めた。
結婚式は誰もが祝福をし無事に終え、
それから間もなくしてエリックが王位を継いだ。
「ジナー、そんなに姫を抱くな!
お前の変な虫がつく」
「エリヒョン、何言ってるんだよ!減るもんじゃないし
いいじゃん!可愛すぎて涙が出てくるよ」
ジニ王子は小さな姫をずっと可愛がっていた。
エリックとドンワン妃との間の子・・・・
いや、ドンワンとミヌの間に生まれた女の子は
エンディと名付けられた。
「ドンワン、姫をジニから離せ!」
ジニがおとなしく姫をドンワン妃に渡した。
「「チェっ。エンディー姫や~、
またジニ王子が遊んであげるからねー。」
名残惜しげにエンディに手を振っている。
「そういえば・・・・」
ジニが立ち去り際に言葉を残した。
「最近エンディ姫はミヌに似てきたよね」
「・・・」
事情を知る誰もが一瞬固まり、
エリックが持っていたカップを落としそうになった。
「何だと!子供の顔は変わりやすいから、
誰にでも似るんだよ!」
「じょ、冗談冗談っ!本気で怒るなって!」
-----------------------------------------------------------------
その後お城の中で禁断の関係が続いていましたが、
ひとまず皆幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし^^。
------------------------------------------------------------------
読んでいただいて、ありがとうございました。
相変わらず文才もないのに、
おバカなお話を・・・・すんません>_<
最後の加工写真、
ハートに入ったりくしょんを作った時から、
お話を作りたくて、この1枚の写真が
「王子と執事の物語」になりました。
いやはや、他にも妄想は膨らむ一方で
何とかしないとパンクしそう。。。
写真は同じ衣装を合わせることができなくて、
ちょっと残念>_<
残念ついでに使い回し写真や、
昔の加工写真を引っ張りだしたり、
無理やりイメージをくっけてみましたが、
いかがでしたか?
今後もおバカな妄想に
どうぞお付き合いください。
「コメント」か「拍手ポチ」をして頂けると
嬉しいです・・・♪
同じ城で生まれた二人は
同じ城で育った。
「ヘソン!」
「はぃ、エリック王子」
「もぉ~ヘソ~ン!”王子”ってつけなくてもいいってばー!」
「いえ、私は王子にお遣えする身ですから」
スーツに身を包み、身なりをキチンと整えたヘソンは
少しだけ微笑みエリック王子に答えた。
「わかるけどさー、生まれた時から一緒だぜ?
プライベートなんだから、いいじゃん」
だだをこねるように、エリックが甘える。
「王子と執事の間にプライベートなどの区別はありません。」
一人は城の王子"エリック"
一人は城に遣える庭師夫婦の子"ヘソン"
育った環境は全く違っていた。
小さな頃からエリック王子はヘソンを遊び相手にしていた為、
王様がエリックの側近として
ヘソンを執事として学ばせたのである。
しかしながら、いつまで経ってもエリックは友達感覚が抜けず、
いつも冒頭のような会話になる。
ある日、ヘソンは王様に呼ばれた。
「ヘソンや、王子はなぜ妃をとらぬ??
誰か好きな姫でもおるのか?
何か理由を知らぬか?」
「いえ、ワタクシは何も存じ上げません」
エリック王子は30を過ぎても
自ら姫君を集めるパーティーはおろか、
姫君たちの集まりには一切参加しなかった。
さらに、隣国の姫が訪ねてきても、
会うことは無かった。
「そうか…ワシも年じゃ。
そろそろ姫をとらせようと思うが、ヘソンはどう思うか?」
ヘソンは思わず息を呑んだ
執事として
「良いお考えだと思います」と
答えるのが精一杯だった。
何故か恐ろしい程動揺し、
その後、王様が何を話していたのか全く覚えておらず、
どうやって自室に戻ってきたかさえ分からなかった。
(どうして俺はこんなにも動揺しているんだろう?
お遣えしてる王子に結婚相手が来るだけなのに?)
頭ではわかっているハズなのに、
心が理解できず、涙が頬を伝っていた。
「エリック・・・」
ヘソンはいつの頃からか、
エリックの事を慕っていた。
誰よりもエリックの近くに居れる幸せと
叶わぬ恋の届かない思いがヘソンの中には混在していた。
結婚となると、嫌でもエリックの事を
諦めなければいけない。
こんなにもエリックへの思いが強い事を
改めて実感していた。
心を落ち着け、王子に内容を伝えるべく、
エリックの部屋へ向かう。
しかし、扉を前にすると胸にこみ上げるものがあり、
なかなか扉を叩けずにいた。
どれくらい立ち竦んでいたか・・・・
背後からエリックが呼び掛けてきた。
「ヘーソーン」
びっくりして振り向くと、
エリック王子が居た。
「王子、いつからそこに?」
「ヘソンが近づいてくる時からだよ。
この体制疲れるんだよなー。
驚かそうと思ったら、お前、神妙な面持ちで動かないんだもん、
タイミング逃しちゃったよ」
「失礼しました」
「いや、いいんだ。それより何かあったのか?」
ヘソンの肩を引き寄せ、そのまま部屋へ入ったが、
スルリとエリック王子の腕からすり抜けるヘソン。
「なんだよ、ちょっとくらいいいだろ!」
「いえ、おふざけはあまりされませんよう・・・・
それより王子!王様からお伺いしたのですが、
近々お妃様になる方をお連れになるそうです。」
「え?おやじ、再婚するの?」
「いえ、エリック王子にです」
「は?!無理無理。俺いらないよ。
ちょっとおやじに文句言ってくるよ。」
エリック王子が扉を開けると同時に、
チョンジン王子が入ってきた。
チョンジン王子、通称ジニ王子はエリック王子の弟である。
「エリヒョン!姫君が来るんだって?
いーなー。俺も欲しいな~!」
フワフワとリズムを取りながら、
部屋を歩き回る
「何だと?お前は姫をとっかえひっかえ…
不自由してないだろーが!」
「何だよ、ヒョンは不自由してるんだから、
姫が来たら丁度いいじゃん!姉妹とかいたら、
俺にもおこぼれあるかなー?!」
「バカか!?」
「いいじゃん!それよりさ、姫が来たらヒョンの執事って暇になるでしょ?
だったらさ、ヘソンを僕に頂戴よー」
ジニは慣れ慣れしくもヘソンの背後から抱きしめる。
「なに言ってんだ??!絶対だめだ!ベタベタ触んなよ!
ヘソンが嫌がってるだろ!!離れろよ!
ヘソンは俺のものだ!」
ヘソンはこの言葉が素直に嬉しかったが、
次の瞬間凍りついた。
「ヒョン、俺・・・・」
「俺、ヘソンの事愛してるんだ。だからヘソンをくれ!」
急にひざまずいたジニ
「なんだと?」
「ダメ??」
「ヘソンは男だぞ?男同志で・・・気持ち悪いんだよ!」
「ケチっ」
そう言い捨てて、ジニはそそくさと出て行った。
「ヘソン、悪かったな・・・」
「いえ・・・」
「あいつのパフォーマンスには付き合いきれないよ・・・」
ヘソンは動けずにいた。
ジニ王子の告白より、
エリックの言う男同士という言葉・・・
当然といえば当然だが、
心に秘めた部分をバッサリと切られたように
頭の中が真っ白になっていた。
静まり返る部屋の中、
エリックがお酒を注ぐ。
「なぁヘソン。
ヘソンは俺が結婚した方がいいと思うの?」
少し淋しそうな声でエリックが質問をした。
「やはり一国の後継者としては、姫君をとられた方が・・・」
「そうだよね。分かってるんだけど・・・
国の幸せと俺の幸せ、ヘソンはどっちを願う?」
「何を仰ってるのですか?」
「ごめん、変な事を聞いて。ヘソンもお酒飲む?」
「いえ、結構です」
他愛もない会話。
でも、エリックの結婚話とあって、
ヘソンはエリックの存在が急に遠く感じ、
淋しさがこみ上げてきた。
【姫君との結婚】
エリックがあまりにも王様に抗議をした結果、
ひとまず姫との顔合わせだけすることになった。
【見合い式当日】
「そこで何をしている!」
誰もいるはずのない場所に
人影が・・・
「あなた様は?」
姫との見合い式を面倒に思っていたエリックは
お城の裏にあるローズガーデンに逃げ出していた。
「俺?俺は…その…庭職人さ」
「そんな綺麗な身なりでですか?」」
「どーでもいいだろー!で、あんた誰?」
「いえ、ここは何も聞かず見逃してください」
「って、言われても…、不法侵入だぜ?
見逃す分けにはいかないなー。」
普段姫君には一切目もくれないエリックだったが、
暇つぶしに理由を聞き出そうとした。
「お願いです、お願いですから見逃してください・・・」
姫はエリック王子に縋りながら
急に泣き崩れてしまった。
「何?!どうした?」
これにはエリックの方がびっくりした。
エリックはローズガーデンの人目につかない
小さな小屋へ姫を案内した。
ずっと下を向いたまま、
ポツリポツリと姫が話し出した。
「私は本日こちらの王子様と見合い式を行います
ドンワンと申します。
私は何不自由なく育ちましたが、
城内から出た事がなく
外の世界を知りません。
ある日父である王様が、ミヌという青年を連れてきました。
その方は容姿端麗頭脳明晰、身体能力も抜群で
私はすぐに気に入りました
その事を父に伝えると、
私の執事としてやとってくれたのです。
しかし、私たちは恋におち、
彼の子を身籠りました。
この事実が王様の耳に届くと
彼はどうなるか分かりません
いっそ心中をしようかとも考えましたが、
新しい命に責任はありません
そこで、この見合い式で城を出られたのを機に、
執事のミヌと駆け落ちをする事に決めたのです。
ですから、どうかここは見逃してください。」
話終わると同時に、ドンワン姫が立ち去ろうとした。
「待て。」
エリックが静かに姫の手を捕まえた。
「俺に良い案がある」
「え?」
「お前はこの城の王子と結婚しろ」
「何を仰るんですか?私の話を聞いてなかったのですか?」
「いや、偽装結婚だ」
「何ですって?」
「結婚して、お前の側近としてミヌを置けば良いだろう。
そしてその子は、王子の子として育てる!良い案だろ?」
「あなた様の提案は嬉しいのですが、
このお城の王子はどうなりますか?そんな事、絶対に許してくれませんよ」
「大丈夫。王子も結婚したくない理由があるようだ…
もし上手くいかなかった場合は、俺が責任をとって城から出してやるよ」
ドンワン姫はここで庭師と会ったのも何かの運命と感じ、
提案を受け入れることにした。
「どこですかドンワン姫!」
遠くで男が呼ぶ声が聞こえる
「私、もう行かなくては!でも、今のお話、ミヌに話してみます」
そして姫は去って行った。
エリックが部屋へ戻ると、ヘソンが走りこんできた。
「エリック王子、どちらへいらしたのですか?
見合い式だというのに顔も出さずに…。」
ソファに座り天井を見つめるエリック。
「・・・・」
「もう姫君はお帰りになりましたよ・・・・」
一方的に話すヘソンに
エリックがふと目を合わせた。
「俺、あの姫と結婚するから」
「・・・・?!」
さらりと言うエリックに動揺を隠しきれないヘソン。
エリックを見つめたまま動けなくなってしまった。
そんな様子をエリックはただ見つめていた。
唇をかみしめ、やっとの思いで
「おめでとうございます」と口をひらいたヘソン。
「ありがと。でも、俺が結婚しても、お前はずっとココにいろよ?」
そんな言葉にヘソンの目から涙が出てきた。
「どうしたヘソン?」
「王子のご決断が嬉しくてつい・・・」
「ホントにそう思うのか?」
二人の思いは交差していた。
エリックが立ち上がり、ヘソンに近づく。
「王子、本日はこれで失礼致します」
執事としては正しい答えだった。
だがヘソンは感情を抑えることが出来ず
逃げるように部屋から出て行った。
嬉しい反面、エリックを想う心が限界だった。
それからというもの、
二人は少しだけ気まずい雰囲気のまま、
あっという間に結婚式の朝を迎えた。
【結婚式の朝】
あっさりと結婚を決心したエリック。
理由はどうあれ、幸せな顔で今日を迎えるのだろう、
城の事を思うと幸せを願わずにいられないが、
ヘソンは自分の感情をこれ以上抑える事が出来ず、
城からでる決断をした。
早朝の朝霧の中、裏庭のローズガーデン
ヘソンはそっと裏口から城を出ようとしていた。
「あのー!すいません!」
霧の向こうから女性の声で呼び止められた。
「あ、執事のヘソンさん!」
姿を現したのはドンワン姫だった。
「姫、先日は王子と会えずに失礼しました。
しかし、城に来て頂けて良かったです。
きょっ、今日はおめでとうございます。
王子をよろしくお願いします」
複雑な心境だった。
「あのぉ~!庭師の方はどちらへ行けば会えますか?」
「庭師ですか?庭師は私の両親ですが、何かご用でしょうか?」
「え?いえ、若くて背の高い庭師の方です」
「残念ながらこの城にそのような庭師はおりません」
「そうですか?」
残念そうに肩を落とすドンワン姫
「私はこれで失礼します」
姫に会釈をして立ち去ろうとした
「ヘソンさんはそんな大荷物で家出かしら?」
ヘソンは姫に背を向け歩き出した。
「待って!あなたがこのお城からでると、
王子はどうなるの?」
「・・・?」
「あなた、知らないの?
王子はあなたの事が好きなのよ?」
「な、何を仰ってるんですか?」
ヘソンは持っていた鞄をギュっと握りしめた。
「だって、庭師の方が言っていたわ。
ココだけの秘密って色々教えてくれたの。
今、私が秘密をばらさないと、
あなたの様子をみる限りでは
王子は失恋してしまうでしょ?」
「でも、王子は今日結婚を・・・」
「あなた、ホントに知らないのね?
執事としては失格じゃないかしら?
私達偽装結婚よ」
「え??」
ヘソンは心臓が止まりそうだった。
ヘソンは姫とミヌとのいきさつや、
庭師との話しを聞き、ただただ驚くばかりだった。
「ヘソンさん!それであの庭師の方はもう会えないのかしら?」
ヘソンは静かに涙を流していた。
「私ね、この日を迎える事が出来た事を
あの庭師の方へお礼を言いにきたのよ。」
「それはどうも♪」
どこからともなく、急に現れたのはエリックだった。
「庭師のエリックです」
エリックは真っ直ぐヘソンの所へ近づいてきた
「あら?”エリック”って、王子と同じ名前じゃないの?
庭師にしては綺麗だと思ったわ!」
エリックはドンワン姫にウィンクをした。
「私、お邪魔みたいだから、
王子、ヘソンさん、また後でね!」
「へーソーンっ♪
こんな朝早くから何してんの?」
「・・・涙」
立ち竦むヘソンの顔を覗きこむエリック
「なぁヘソン、この結婚、すごく良いアイディアだろ?」
「・・・・」
「今日は、ヘソンと俺の結婚式。
ドンワン姫とミヌの結婚式。
危うく俺は結婚相手に逃げられるところだったぜ」
「王子のバカ」
「誰に口きいてんの?」
「俺は姫じゃない!」
「そこかよっ。
わかってるって。
俺がジニに言った事を気にしてるんだろ?
アレは、あいつを追っ払う理由に過ぎないさ。
ヘソンならわかってくれると思ったけどな・・・
俺、ずっとヘソンの事が好きだったんだぜ?。
よその姫に会う時間があるなら、ヘソンを見ていたいし、
ヘソンの近くに居たいんだ。
朝一番にプロポーズしようとしたら、ヘソン、居ないんだもん。」
「私は…
私は、執事として距離を保っておかないと、
思いを抑えておくことが出来なかった
王子が近くに来る度に苦しい思いをしていました」
「知ってるよ。俺だって同じさ。
気づかなかったか?お前は俺のどこを見てたんだか。。。。?
俺達がどうしたら幸せになれるか
ずーーーーーっと考えていたんだ。
なのに、何だよっ!
お前は俺から逃げる事しか考えなかったのか??」
「・・・・」
「でも問題を抱えた姫が来てくれるお陰で、やっとそれが叶いそうだ。」
エリックはゆっくりとヘソンの前で跪いた。
「ヘソン、俺たち結婚するぞっ」
ヘソンが顔を頷けた途端、
エリックに抱き寄せられた
「王子っ!」
「ヘソン、嫌か?」
「嫌じゃないデス」
「ヘソン、俺の名前を呼んでくれないか?」
「王子・・・」
「違う!名前でだ。王子の命令」
「エ・・・エリック・・・」
額に優しくキスが落とされ
ヘソンは頬を赤く染めた。
結婚式は誰もが祝福をし無事に終え、
それから間もなくしてエリックが王位を継いだ。
「ジナー、そんなに姫を抱くな!
お前の変な虫がつく」
「エリヒョン、何言ってるんだよ!減るもんじゃないし
いいじゃん!可愛すぎて涙が出てくるよ」
ジニ王子は小さな姫をずっと可愛がっていた。
エリックとドンワン妃との間の子・・・・
いや、ドンワンとミヌの間に生まれた女の子は
エンディと名付けられた。
「ドンワン、姫をジニから離せ!」
ジニがおとなしく姫をドンワン妃に渡した。
「「チェっ。エンディー姫や~、
またジニ王子が遊んであげるからねー。」
名残惜しげにエンディに手を振っている。
「そういえば・・・・」
ジニが立ち去り際に言葉を残した。
「最近エンディ姫はミヌに似てきたよね」
「・・・」
事情を知る誰もが一瞬固まり、
エリックが持っていたカップを落としそうになった。
「何だと!子供の顔は変わりやすいから、
誰にでも似るんだよ!」
「じょ、冗談冗談っ!本気で怒るなって!」
-----------------------------------------------------------------
その後お城の中で禁断の関係が続いていましたが、
ひとまず皆幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし^^。
------------------------------------------------------------------
読んでいただいて、ありがとうございました。
相変わらず文才もないのに、
おバカなお話を・・・・すんません>_<
最後の加工写真、
ハートに入ったりくしょんを作った時から、
お話を作りたくて、この1枚の写真が
「王子と執事の物語」になりました。
いやはや、他にも妄想は膨らむ一方で
何とかしないとパンクしそう。。。
写真は同じ衣装を合わせることができなくて、
ちょっと残念>_<
残念ついでに使い回し写真や、
昔の加工写真を引っ張りだしたり、
無理やりイメージをくっけてみましたが、
いかがでしたか?
今後もおバカな妄想に
どうぞお付き合いください。
「コメント」か「拍手ポチ」をして頂けると
嬉しいです・・・♪
(エンディ視点)
2012 SHINHWA GRAND TOUR ‘THE RETURN’
上海公演が終わった。
この時、ヘソンヒョンがあんな事になるなんて、
誰も予想してなかった...
事の発端はコンサ直後の楽屋から。
僕は楽屋の一番奥にある椅子に、
痛みのある腰を動かさないようそっと腰かけ、
携帯を触る。
いや、本当は携帯ごしに楽屋を観察をしている。
エリヒョンはソファーもたれて目を瞑り、
ミヌヒョンは向かいのソファーで前屈みに
何やら考え事をしている。
ワニヒョンは着替えるついでに
上半身の裸を鏡で見て、
その隅ではヘソンヒョンが
髪型を整えている。
shinhwa幕開けの第一歩が無事に終了を迎え、
楽屋ではやりきった満足感と、あっという間に終わってしまった淋しさと、
各々物思いにふけっているような感じだ。
あ、ジニが腰を押さえて楽屋へ入ってきた。
「酷く痛そうだな、お前大丈夫か?
最終日だからって張り切り過ぎたんじゃないか?」
ミヌヒョンがジニへ手を差し伸べて、
自分の隣へ誘導する。
「ジナ、お前本当に頑張ったな。エンディもだ」
寝ていたと思ったエリヒョンが僕たちに真剣な視線を送る。
そして、コンサート期間にも関わらず、手術を受けたジニ、
苦しい治療を受けていた僕の事など、とても褒めてくれた。
だけど、この話が始まった時、僕はヘソンヒョンの動きが
一瞬止まった事を見逃さなかったんだ。
ご機嫌だったヘソンヒョンの手元が止まり、
鏡越しにエリヒョンとミヌヒョンを見つめていた。
何か察知したんだろうか?
段々と伏し目がちになり、落ち着かない様子。
話の流れ的に、僕はコンサート開始直後に怪我をした
ヘソンヒョンが頑張った事も話題になると思っていたが、
ちょっと違ったんだよね。
ワニヒョンが僕らを褒めてくれている時、
ヘソンヒョンが楽屋を出ようとした。
「待てヘソン」
エリヒョンが止める。
そしてミヌヒョンに「お前が話せ!」と言わんばかりに顎で合図する。
「ヘソン、次はお前の番だぞ」
楽屋の扉前で立ち止まったヘソンヒョンの背中に
ミヌヒョンが話かける。
明らかにヘソンヒョンを褒めるような声のトーンじゃない。
「お前も確かに頑張ったが、動けるようになったからって、治ったわけじゃない。
お前の完治する方法はもう手術しかないんだよな?手術を受けるんだ。」
「・・・俺はダンスだって踊れるまでに治ったし、これからもっと治る!
手術は必要ないよ!」
「それは完治じゃないだろ?爆弾をかかえたまま過ごすのか?」
「俺の体は俺が一番よく知ってるんだ!俺が決める!」
「バカ、俺たちは神話という家族だ。
より素晴らしいパフォーマンスを届けるのが仕事だ。
お前一人の勝手は許されないんだ、
そして、何よりお前の事が心配なんだ!わかるだろ?」
「心配してくれとは頼んでない。」
何だかヘソンヒョンらしくない応え。
ミヌヒョンもは瞬間的に怒りに満ち溢れたが、
違和感のある応えに戸惑っているようにも見える。
そして、ヘソンヒョンが楽屋の扉に八つ当たりするかのように出て行った。
ひと呼吸おいて、エリヒョンが立ち上がり
楽屋から出た。
きっとヘソンヒョンのところへ行ったのだろう。
水と油。
仲が良いんだか悪いんだか・・・
僕は客観的にあの二人は相思相愛だと思っている。
でも今のエリヒョンはリーダーとして、
ヘソンヒョンを追いかけたと思う。
僕がトイレへ向かうと、
ケータリングルームに二人の姿があった。
「ヘソン、どうした?」
「別に。」
「なぁ、ヘソン。神話って家族だよな?家族の心配をして何が悪いんだ?」
「ごめん、エリ。でも俺本当に大丈夫だから」
「何が大丈夫なんだ?お前、何か言いたい事があるんじゃないか??」
「・・・」
「いいぞ、お前の思ってる事を何でも言ってみろよ」
「・・・」
ヘソンヒョンの沈黙にエリヒョンが付き合う。
そして、ヘソンヒョンが口を開いた。
「怖いんだ」
「何が?手術がか?」
「そ・・・そうだな。手術を受ける事は何ともないんだけど、
もしその手術で何かあったら・・・」
「ハハハ。お前の手術は外科だろ?内臓の病気じゃあるまいし、
そんなの怖がることないさ!」
「いや、俺・・・嫌な予感がするんだ。
もし手術に失敗したら、もう神話として踊れない。
迷惑はかけたくない。でも神話から外れる事なんて考えられないし・・・」
「ヘソン、そんな心配すんなって!
お前は深刻な病気じゃないし、またすぐ復活するさ!
ジニを見てみろよ!手術を受けたばっかりなのに、
もう元気になったと勘違いして、今日も張り切りすぎてただろ?
お前も大丈夫だよ!」
「だから、違うんだって!
なんだか嫌な予感がするんだって!」
「お前は予言者か?大丈夫だから!考えすぎなんだよ!」
「嫌だ。」
「お前が元気になった姿をみんなに見せたいと思わないか?」
「俺はもう元気だし!」
「違うだろ?よく考えろよ。お前の為にも神話の為にも・・・な?」
「でも・・・俺に何かあったらどうするんだよ!」
「俺が保障する!大丈夫、何かあったら俺が責任とるよ」
「お前が?」
「あぁ。シナのリーダーとして。そして俺自身も…」
「シナのリーダーとしては、お前を尊敬している。
でも、お前個人としてはシナの中で一番心配されたくないし、近寄って欲しくない。
俺が避けてるのを気づかないか?
お前が今後一切俺に近寄らないって約束するなら、手術を受けるよ」
「ヘソン・・・お前、そんなに俺の事嫌いだったのか?」
「・・・」
「・・・そうか、わかったよ。じゃー、ファンサービスも無しだな。
でも、お前が元気になるなら、俺はなんだってするよ。]
「あぁ」
「なぁ、ヘソン。一つだけ頼みがある。
お前の身に着けているものを一つくれ。」
「変な奴だな。お前の顔を見なくて済むなら、何でも持って行け」
「じゃー、リングをもらうよ。
ありがとな。
これでお前には今後一切近寄らない。
マンションも引っ越すよ。だから手術を受けるか?」
「あぁ。」
ヒョン達が話を終え、ヘソンヒョンが先にケータリングルームから一人で出てきた。
思わず隠れてしまったけど、
泣いてるヒョンを見てしまった…
二人が別々に楽屋へ戻ってきた時、
「さっ!そろそろ打ち上げに行くか!」
と、ワニヒョンの合図で一世に動き出す。
ミヌヒョンはエリヒョンに近づき、
何か報告を受けているようだ。
この打ち上げの時から…かな?
誰も口にしなかったけど、
エリヒョンとヘソンヒョンの距離がとても遠くなった。
帰国後程なくして、
ヘソンヒョンが手術を受ける事となった。
そして、入院したヘソンヒョンを励ましに召集されたが
エリヒョンの姿は無かった。
個室にいるヒョン。
「ヒョーン!」
ジニがヒョンにハグをする。
そして全員が後に続く。
「ヘソン、エリックはまだ来てないか?」
ワニヒョンが無邪気に問う
「知らない・・・」
「簡単な外科の手術だから、わざわざ行かないって言ってたよ。」
ミヌヒョンがフォローするかのように
言葉を伝える。
「せっかく全員が集まる機会なんだから、
エリックも来たらよかったのにな」
他愛もない話の途中、
ヘソンヒョンが変な事を言い出した。
「なぁ・・・俺に何かあったらどうする?」
「何かって?ヒョン、俺も腰の手術受けたけど、
あっという間だったし、ほら、この通り元気になったよ!
ヒョンだって一度経験者じゃん!」
「そ・・・そうだな」
病室に笑い声が舞う。
「お前たち、病室で騒ぐなよ!」
ヘソンヒョンも笑っていたけど、
どこか表情が曇っている。
それは手術に対してなのか、
ここに来てないエリヒョンに対してなのか…
少し気になった。
翌日、ヘソンヒョンの手術が行われた。
そろそろ手術も終わる頃かな?と時計に目をやった時、
ミヌヒョンから連絡が入った。
「すぐ病院に来い」
麻酔投与ミスでヘソンヒョンが昏睡状態になったと…
思わず聞き返したけど、すぐに電話は切れた。
ガランとした病室。
僕が一番に到着したようだ。
じっとしていられず、
病室に残されたヒョンの携帯を手にとってみた。
案の定ロックがかかっている。
ヒョンの誕生日を入力してみたが、解除されず。。。
試しにエリヒョンの誕生日を入れてみた。
解除成功。
ちょっとびっくりした。
そして待ち受け画面がエリヒョンだった事に
もっと驚く。
僕は見てはいけない物を見てしまったような気がして
急いで携帯を元の位置に戻した。
同時にミヌヒョンが病室へ入ってきた。
「人の携帯を見るのは良くないぞ?」
「あっ。ごめん」
「エリックが写ってただろ?」
「ミヌヒョン、知ってたの?」
「あぁ。お前だって薄々気づいてただろ?」
「まぁ…ね。」
「あいつらバカだよな…」
ベッドの淵に腰をかけ話し始める
「出会った頃からそうだった。お互いに魅かれたっているのに、
近づくと反発する。見てるこっちがイライラするよ」
腕を組み窓を見つめながら話すミヌヒョン。
「今日はエリヒョン、来るかな?」
「フフっ。もう来てるさ。1番に連絡した。だから誰よりも早くきて、
手術室の前で・・・きっと泣いてるよ」
「僕も行ってくる。」
「いや、一人にしてやれ」
しばらくして、ワニヒョンとジニが駆け込んできた。
♪コンコン
ナースが病室を訪ねてきた。
「あの・・・シナの方々に、ヘソンさんから預かりものがあります」
ビデオレターのようだった。
「あんにょん、この映像を見てるって事は、
やっぱり俺に何かあったんだよな?」
暗がりの中、ベッドの上で撮ったヘソンヒョンが映っていた
「みんな・・・俺、どんな状況なの?
もう歌えないのかな?家族から外れるの?それとも死んでるの?」
不気味なくらい笑顔のヘソンヒョン。
映像は神話のシンヘソンでいられた事や
メンバーに対しての感謝などが続いた。
そして最後にエリヒョンへの特別メッセージ。
「エリック。ここからはエリックだけが見てほしい。」
ミヌヒョンが映像を止める。
「みんな、席外そうぜ。」
腰を上げた時、エリヒョンが皆を止めた。
「一緒にいてくれ。俺、一人じゃ見れない。」
その時、エリヒョンの大きな瞳から涙が溢れていた事に気づいた。
泣いてたんだ…
そして、映像が再生された。
「エリック、な?俺の嫌な予感が的中しただろ?
エリ…ごめんな。俺、お前に酷い事いっちゃったな。
リーダーとして尊敬してるし、
お前自身も…ホントは好きだよ。
メンバーとてではなく…
その…何ていうか…。
お前が近くにいると、
苦しくなるんだ。
おかしいだろ?
こんな事言えないからな。
だからあんな事を…
でも、今言わないと後悔しそうだから、
最後に伝えておくよ。
エリ、愛してたんだ。
いつも近くにいてくれて、感謝している。
ありがとう。みんなによろしく伝えてくれ。
じゃぁな、エリ。あんにょん」
「ヘソン…」
そうつぶやいて、エリヒョンは病室を出た。
ジニはワニヒョンの肩を借りて声を出して泣いている。
ミヌヒョンは腕組みをして目を瞑っていた。
その後どれくらい経ったかな、
僕たちは、ただ沈黙の中を過ごした。
ヘソンヒョンの手術は何とか終わったが、
ヒョンの昏睡状態は続いていた。
僕たちは時間の許す限りローテーションで
ヒョンの見舞いに行った。
僕の行くときは、いつもエリヒョンがきている。
けど、違ったんだよね。
仕事を全てキャンセルし、エリヒョンはいつもいたらしい。
「ヒョン、ちゃんと家に帰ってる?」
エリヒョンは何も応えず、僕に笑顔をくれたけど、
その表情はとても疲れて、悲しげだった。
「ヒョン、少し休んでよ。僕、ちょっと飲み物を買ってくる。
コーヒーでいい?」
ヘソンヒョンの手を握り、愛おしそうに見つめたまま頷いた。
両手に1つずつ持っていた缶コーヒー。
病室を開けるために片手に持ち替え、少し隙間を開けた時、
中から話し声が聞こえた。
「ヘソン…戻ってきてくれてありがとう」
「エリ、どうしたの?なんで泣いてるの?」
「ヘソン、ヘソン…」
ヘソンヒョンが目を覚ましたんだ。
良かった。
本当に良かった。
廊下の壁に背を当て、
嬉しくて泣いた。
「ヘソン、痛い所ないか?大丈夫か?先生呼んでくる」
立ち上がり手を離そうとした時、
ヘソンが強く握った。
「行かないで」
「…」
「エリが呼んだんだ」
「俺が?」
ベッドの淵にゆっくりと腰を下ろし、
ヘソンの頬に手を当てる。
「ずっと暗闇を彷徨っていたんだ。
どこまで歩いても出口がなくて、メンバーの名前を呼んでも
誰も返事もなく、こもまま戻れないのかと思っていたら、
エリの声が聞こえたんだ。
”ヘソン、早く戻ってこい”って、何度も何度も。
お前の呼ぶ方向へ歩いて行ったら…お前が居た」
「愛しいヘソンが戻ってきてくれて嬉しいよ」
「どういう意味?あ、ビデオ、見たんだな?
お前への変な気持ちに対する同情はいらないぞ。
嫌ってくれ」
「嫌わない。お前は愛してたって言ってたけど、
俺は愛してる。今でも進行形だ」
「俺、告白されてる?」
「そうだな。俺は映像のヘソンから告白されたぞ?
で、今のヘソンはどうなんだ?」
「・・・」
「どうなんだよ?」
「進行形」
「ということは?」
「進行形は進行形だ!」
「だーかーらー、言葉で言うと?」
「・・・」
「まぁいいよ。俺はお前を全身全霊で受け止めるぞ。
ほら、何かあったら責任取るって言っただろ?
何かあったわけだから、俺、お前んちにちゃんと引っ越してやるからな」
「え?」
「照れるなって~」
「あ、お前あのリング返せよな」
「ヤだ。リングもヘソンも俺のもの!」
「何言ってんだよ!」
クスクスと弱々しいけど楽しそうなヘソンヒョンの声と
甘いエリヒョンの声。
安心した。
僕は病院を後にし、メンバーにヘソンヒョンの意識が戻った事を連絡した。
2013年3月。
今年もシナのコンサート開始。
去年は大変だったなーと皆口々に言う。
今ではすっかり思い出になってる。
確かにすごく大変だったけど、ヘソンヒョンをはじめ、
メンバー全員身体の不調はなく、良い活動を送れそうだよ。
りくしょん?
表向きは水と油を演じているよ。
でも私生活は同棲を始めて、甘い生活を送ってるみたい。
ヘソンヒョンは「エリヒョンが勝手に越してきた!!」って言ってるけど、
ヘソンヒョン、あなたがエリヒョンに告白した事って、
みんな知ってるんだよ?
その事を知らないのはヒョンだけですよ。
いつかヘソンヒョンが悪さをした時に、
ネタにするんだってメンバー全員言ってた。
その時のヘソンヒョンって…凹むかな?逆切れかな?
どっちのヘソンヒョンもエリヒョンは楽しむんだろうけどね。
さて、今年も忙しくなるねー。
おしまい♪
---------------------------------------------------------------------
下手な文章ですが、
妄想が止まらず、形にしてみました。
きっと気づいてないままの誤字脱字が多いんだろうな・・・
リーディングありがとう^^。
よかったら感想をお願いします♪
2012 SHINHWA GRAND TOUR ‘THE RETURN’
上海公演が終わった。
この時、ヘソンヒョンがあんな事になるなんて、
誰も予想してなかった...
事の発端はコンサ直後の楽屋から。
僕は楽屋の一番奥にある椅子に、
痛みのある腰を動かさないようそっと腰かけ、
携帯を触る。
いや、本当は携帯ごしに楽屋を観察をしている。
エリヒョンはソファーもたれて目を瞑り、
ミヌヒョンは向かいのソファーで前屈みに
何やら考え事をしている。
ワニヒョンは着替えるついでに
上半身の裸を鏡で見て、
その隅ではヘソンヒョンが
髪型を整えている。
shinhwa幕開けの第一歩が無事に終了を迎え、
楽屋ではやりきった満足感と、あっという間に終わってしまった淋しさと、
各々物思いにふけっているような感じだ。
あ、ジニが腰を押さえて楽屋へ入ってきた。
「酷く痛そうだな、お前大丈夫か?
最終日だからって張り切り過ぎたんじゃないか?」
ミヌヒョンがジニへ手を差し伸べて、
自分の隣へ誘導する。
「ジナ、お前本当に頑張ったな。エンディもだ」
寝ていたと思ったエリヒョンが僕たちに真剣な視線を送る。
そして、コンサート期間にも関わらず、手術を受けたジニ、
苦しい治療を受けていた僕の事など、とても褒めてくれた。
だけど、この話が始まった時、僕はヘソンヒョンの動きが
一瞬止まった事を見逃さなかったんだ。
ご機嫌だったヘソンヒョンの手元が止まり、
鏡越しにエリヒョンとミヌヒョンを見つめていた。
何か察知したんだろうか?
段々と伏し目がちになり、落ち着かない様子。
話の流れ的に、僕はコンサート開始直後に怪我をした
ヘソンヒョンが頑張った事も話題になると思っていたが、
ちょっと違ったんだよね。
ワニヒョンが僕らを褒めてくれている時、
ヘソンヒョンが楽屋を出ようとした。
「待てヘソン」
エリヒョンが止める。
そしてミヌヒョンに「お前が話せ!」と言わんばかりに顎で合図する。
「ヘソン、次はお前の番だぞ」
楽屋の扉前で立ち止まったヘソンヒョンの背中に
ミヌヒョンが話かける。
明らかにヘソンヒョンを褒めるような声のトーンじゃない。
「お前も確かに頑張ったが、動けるようになったからって、治ったわけじゃない。
お前の完治する方法はもう手術しかないんだよな?手術を受けるんだ。」
「・・・俺はダンスだって踊れるまでに治ったし、これからもっと治る!
手術は必要ないよ!」
「それは完治じゃないだろ?爆弾をかかえたまま過ごすのか?」
「俺の体は俺が一番よく知ってるんだ!俺が決める!」
「バカ、俺たちは神話という家族だ。
より素晴らしいパフォーマンスを届けるのが仕事だ。
お前一人の勝手は許されないんだ、
そして、何よりお前の事が心配なんだ!わかるだろ?」
「心配してくれとは頼んでない。」
何だかヘソンヒョンらしくない応え。
ミヌヒョンもは瞬間的に怒りに満ち溢れたが、
違和感のある応えに戸惑っているようにも見える。
そして、ヘソンヒョンが楽屋の扉に八つ当たりするかのように出て行った。
ひと呼吸おいて、エリヒョンが立ち上がり
楽屋から出た。
きっとヘソンヒョンのところへ行ったのだろう。
水と油。
仲が良いんだか悪いんだか・・・
僕は客観的にあの二人は相思相愛だと思っている。
でも今のエリヒョンはリーダーとして、
ヘソンヒョンを追いかけたと思う。
僕がトイレへ向かうと、
ケータリングルームに二人の姿があった。
「ヘソン、どうした?」
「別に。」
「なぁ、ヘソン。神話って家族だよな?家族の心配をして何が悪いんだ?」
「ごめん、エリ。でも俺本当に大丈夫だから」
「何が大丈夫なんだ?お前、何か言いたい事があるんじゃないか??」
「・・・」
「いいぞ、お前の思ってる事を何でも言ってみろよ」
「・・・」
ヘソンヒョンの沈黙にエリヒョンが付き合う。
そして、ヘソンヒョンが口を開いた。
「怖いんだ」
「何が?手術がか?」
「そ・・・そうだな。手術を受ける事は何ともないんだけど、
もしその手術で何かあったら・・・」
「ハハハ。お前の手術は外科だろ?内臓の病気じゃあるまいし、
そんなの怖がることないさ!」
「いや、俺・・・嫌な予感がするんだ。
もし手術に失敗したら、もう神話として踊れない。
迷惑はかけたくない。でも神話から外れる事なんて考えられないし・・・」
「ヘソン、そんな心配すんなって!
お前は深刻な病気じゃないし、またすぐ復活するさ!
ジニを見てみろよ!手術を受けたばっかりなのに、
もう元気になったと勘違いして、今日も張り切りすぎてただろ?
お前も大丈夫だよ!」
「だから、違うんだって!
なんだか嫌な予感がするんだって!」
「お前は予言者か?大丈夫だから!考えすぎなんだよ!」
「嫌だ。」
「お前が元気になった姿をみんなに見せたいと思わないか?」
「俺はもう元気だし!」
「違うだろ?よく考えろよ。お前の為にも神話の為にも・・・な?」
「でも・・・俺に何かあったらどうするんだよ!」
「俺が保障する!大丈夫、何かあったら俺が責任とるよ」
「お前が?」
「あぁ。シナのリーダーとして。そして俺自身も…」
「シナのリーダーとしては、お前を尊敬している。
でも、お前個人としてはシナの中で一番心配されたくないし、近寄って欲しくない。
俺が避けてるのを気づかないか?
お前が今後一切俺に近寄らないって約束するなら、手術を受けるよ」
「ヘソン・・・お前、そんなに俺の事嫌いだったのか?」
「・・・」
「・・・そうか、わかったよ。じゃー、ファンサービスも無しだな。
でも、お前が元気になるなら、俺はなんだってするよ。]
「あぁ」
「なぁ、ヘソン。一つだけ頼みがある。
お前の身に着けているものを一つくれ。」
「変な奴だな。お前の顔を見なくて済むなら、何でも持って行け」
「じゃー、リングをもらうよ。
ありがとな。
これでお前には今後一切近寄らない。
マンションも引っ越すよ。だから手術を受けるか?」
「あぁ。」
ヒョン達が話を終え、ヘソンヒョンが先にケータリングルームから一人で出てきた。
思わず隠れてしまったけど、
泣いてるヒョンを見てしまった…
二人が別々に楽屋へ戻ってきた時、
「さっ!そろそろ打ち上げに行くか!」
と、ワニヒョンの合図で一世に動き出す。
ミヌヒョンはエリヒョンに近づき、
何か報告を受けているようだ。
この打ち上げの時から…かな?
誰も口にしなかったけど、
エリヒョンとヘソンヒョンの距離がとても遠くなった。
帰国後程なくして、
ヘソンヒョンが手術を受ける事となった。
そして、入院したヘソンヒョンを励ましに召集されたが
エリヒョンの姿は無かった。
個室にいるヒョン。
「ヒョーン!」
ジニがヒョンにハグをする。
そして全員が後に続く。
「ヘソン、エリックはまだ来てないか?」
ワニヒョンが無邪気に問う
「知らない・・・」
「簡単な外科の手術だから、わざわざ行かないって言ってたよ。」
ミヌヒョンがフォローするかのように
言葉を伝える。
「せっかく全員が集まる機会なんだから、
エリックも来たらよかったのにな」
他愛もない話の途中、
ヘソンヒョンが変な事を言い出した。
「なぁ・・・俺に何かあったらどうする?」
「何かって?ヒョン、俺も腰の手術受けたけど、
あっという間だったし、ほら、この通り元気になったよ!
ヒョンだって一度経験者じゃん!」
「そ・・・そうだな」
病室に笑い声が舞う。
「お前たち、病室で騒ぐなよ!」
ヘソンヒョンも笑っていたけど、
どこか表情が曇っている。
それは手術に対してなのか、
ここに来てないエリヒョンに対してなのか…
少し気になった。
翌日、ヘソンヒョンの手術が行われた。
そろそろ手術も終わる頃かな?と時計に目をやった時、
ミヌヒョンから連絡が入った。
「すぐ病院に来い」
麻酔投与ミスでヘソンヒョンが昏睡状態になったと…
思わず聞き返したけど、すぐに電話は切れた。
ガランとした病室。
僕が一番に到着したようだ。
じっとしていられず、
病室に残されたヒョンの携帯を手にとってみた。
案の定ロックがかかっている。
ヒョンの誕生日を入力してみたが、解除されず。。。
試しにエリヒョンの誕生日を入れてみた。
解除成功。
ちょっとびっくりした。
そして待ち受け画面がエリヒョンだった事に
もっと驚く。
僕は見てはいけない物を見てしまったような気がして
急いで携帯を元の位置に戻した。
同時にミヌヒョンが病室へ入ってきた。
「人の携帯を見るのは良くないぞ?」
「あっ。ごめん」
「エリックが写ってただろ?」
「ミヌヒョン、知ってたの?」
「あぁ。お前だって薄々気づいてただろ?」
「まぁ…ね。」
「あいつらバカだよな…」
ベッドの淵に腰をかけ話し始める
「出会った頃からそうだった。お互いに魅かれたっているのに、
近づくと反発する。見てるこっちがイライラするよ」
腕を組み窓を見つめながら話すミヌヒョン。
「今日はエリヒョン、来るかな?」
「フフっ。もう来てるさ。1番に連絡した。だから誰よりも早くきて、
手術室の前で・・・きっと泣いてるよ」
「僕も行ってくる。」
「いや、一人にしてやれ」
しばらくして、ワニヒョンとジニが駆け込んできた。
♪コンコン
ナースが病室を訪ねてきた。
「あの・・・シナの方々に、ヘソンさんから預かりものがあります」
ビデオレターのようだった。
「あんにょん、この映像を見てるって事は、
やっぱり俺に何かあったんだよな?」
暗がりの中、ベッドの上で撮ったヘソンヒョンが映っていた
「みんな・・・俺、どんな状況なの?
もう歌えないのかな?家族から外れるの?それとも死んでるの?」
不気味なくらい笑顔のヘソンヒョン。
映像は神話のシンヘソンでいられた事や
メンバーに対しての感謝などが続いた。
そして最後にエリヒョンへの特別メッセージ。
「エリック。ここからはエリックだけが見てほしい。」
ミヌヒョンが映像を止める。
「みんな、席外そうぜ。」
腰を上げた時、エリヒョンが皆を止めた。
「一緒にいてくれ。俺、一人じゃ見れない。」
その時、エリヒョンの大きな瞳から涙が溢れていた事に気づいた。
泣いてたんだ…
そして、映像が再生された。
「エリック、な?俺の嫌な予感が的中しただろ?
エリ…ごめんな。俺、お前に酷い事いっちゃったな。
リーダーとして尊敬してるし、
お前自身も…ホントは好きだよ。
メンバーとてではなく…
その…何ていうか…。
お前が近くにいると、
苦しくなるんだ。
おかしいだろ?
こんな事言えないからな。
だからあんな事を…
でも、今言わないと後悔しそうだから、
最後に伝えておくよ。
エリ、愛してたんだ。
いつも近くにいてくれて、感謝している。
ありがとう。みんなによろしく伝えてくれ。
じゃぁな、エリ。あんにょん」
「ヘソン…」
そうつぶやいて、エリヒョンは病室を出た。
ジニはワニヒョンの肩を借りて声を出して泣いている。
ミヌヒョンは腕組みをして目を瞑っていた。
その後どれくらい経ったかな、
僕たちは、ただ沈黙の中を過ごした。
ヘソンヒョンの手術は何とか終わったが、
ヒョンの昏睡状態は続いていた。
僕たちは時間の許す限りローテーションで
ヒョンの見舞いに行った。
僕の行くときは、いつもエリヒョンがきている。
けど、違ったんだよね。
仕事を全てキャンセルし、エリヒョンはいつもいたらしい。
「ヒョン、ちゃんと家に帰ってる?」
エリヒョンは何も応えず、僕に笑顔をくれたけど、
その表情はとても疲れて、悲しげだった。
「ヒョン、少し休んでよ。僕、ちょっと飲み物を買ってくる。
コーヒーでいい?」
ヘソンヒョンの手を握り、愛おしそうに見つめたまま頷いた。
両手に1つずつ持っていた缶コーヒー。
病室を開けるために片手に持ち替え、少し隙間を開けた時、
中から話し声が聞こえた。
「ヘソン…戻ってきてくれてありがとう」
「エリ、どうしたの?なんで泣いてるの?」
「ヘソン、ヘソン…」
ヘソンヒョンが目を覚ましたんだ。
良かった。
本当に良かった。
廊下の壁に背を当て、
嬉しくて泣いた。
「ヘソン、痛い所ないか?大丈夫か?先生呼んでくる」
立ち上がり手を離そうとした時、
ヘソンが強く握った。
「行かないで」
「…」
「エリが呼んだんだ」
「俺が?」
ベッドの淵にゆっくりと腰を下ろし、
ヘソンの頬に手を当てる。
「ずっと暗闇を彷徨っていたんだ。
どこまで歩いても出口がなくて、メンバーの名前を呼んでも
誰も返事もなく、こもまま戻れないのかと思っていたら、
エリの声が聞こえたんだ。
”ヘソン、早く戻ってこい”って、何度も何度も。
お前の呼ぶ方向へ歩いて行ったら…お前が居た」
「愛しいヘソンが戻ってきてくれて嬉しいよ」
「どういう意味?あ、ビデオ、見たんだな?
お前への変な気持ちに対する同情はいらないぞ。
嫌ってくれ」
「嫌わない。お前は愛してたって言ってたけど、
俺は愛してる。今でも進行形だ」
「俺、告白されてる?」
「そうだな。俺は映像のヘソンから告白されたぞ?
で、今のヘソンはどうなんだ?」
「・・・」
「どうなんだよ?」
「進行形」
「ということは?」
「進行形は進行形だ!」
「だーかーらー、言葉で言うと?」
「・・・」
「まぁいいよ。俺はお前を全身全霊で受け止めるぞ。
ほら、何かあったら責任取るって言っただろ?
何かあったわけだから、俺、お前んちにちゃんと引っ越してやるからな」
「え?」
「照れるなって~」
「あ、お前あのリング返せよな」
「ヤだ。リングもヘソンも俺のもの!」
「何言ってんだよ!」
クスクスと弱々しいけど楽しそうなヘソンヒョンの声と
甘いエリヒョンの声。
安心した。
僕は病院を後にし、メンバーにヘソンヒョンの意識が戻った事を連絡した。
2013年3月。
今年もシナのコンサート開始。
去年は大変だったなーと皆口々に言う。
今ではすっかり思い出になってる。
確かにすごく大変だったけど、ヘソンヒョンをはじめ、
メンバー全員身体の不調はなく、良い活動を送れそうだよ。
りくしょん?
表向きは水と油を演じているよ。
でも私生活は同棲を始めて、甘い生活を送ってるみたい。
ヘソンヒョンは「エリヒョンが勝手に越してきた!!」って言ってるけど、
ヘソンヒョン、あなたがエリヒョンに告白した事って、
みんな知ってるんだよ?
その事を知らないのはヒョンだけですよ。
いつかヘソンヒョンが悪さをした時に、
ネタにするんだってメンバー全員言ってた。
その時のヘソンヒョンって…凹むかな?逆切れかな?
どっちのヘソンヒョンもエリヒョンは楽しむんだろうけどね。
さて、今年も忙しくなるねー。
おしまい♪
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下手な文章ですが、
妄想が止まらず、形にしてみました。
きっと気づいてないままの誤字脱字が多いんだろうな・・・
リーディングありがとう^^。
よかったら感想をお願いします♪
プロフィール
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Mong
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I love Hyesung.
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ぜひ感想聞かせてください♪
せめて足跡だけでも…(^_^)
나는 당신의 감상을 기다리고 있습니다.
我等着你的意见。
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신승훈 - 미소속에 비친 그대
Great Song Battle - Shin Hyesung_MIX
Midnight_Girl_deep_sea_remix!!!
아무리 생각해도 난 너를
(いくら考えても僕は君を)
Hyesung remix
Chicken Mani Remix Version(46s)
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